2022 Fiscal Year Research-status Report
コロナ新様式でのNCDsと口腔機能低下の連関要因解明と包括的重症化予防戦略の展開
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22K02172
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
仲井 雪絵 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (70284073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 智子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (20582703)
長谷 由紀子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (30835088)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 口腔内環境 / NCDs |
Outline of Annual Research Achievements |
健康長寿の3本柱として『運動』『栄養』『社会参加』が知られる。しかし,ここ3年間はCOVID-19の世界的感染拡大を防止するために,やむを得ず『ステイ・ホーム』,『孤食』,『ソーシャル・ディスタンス』など,いわゆるコロナ禍以前の方針とは相容れない生活様式が推奨されることとなった。さらに,長引くマスク着用生活による口腔内環境ならびに口腔機能への悪影響も懸念されている。 本年度はベースラインとして,コロナ禍以前における後期高齢者歯科健診受診者(75歳,約19000名)の診査データより口腔内環境ならびに口腔機能の実態について分析した。歯に関しては,平均残存歯数は21.9歯(うち未処置歯0.8,処置歯12.9),20歯以上の残存歯数を有する者は73.3%であった。咀嚼能力,舌機能ならびに嚥下機能が良好な者の割合はそれぞれ9割以上であった。口腔乾燥度が正常範囲であった者は85.0%であり,口腔機能に関する他の項目と比較すると,衰えの徴候として表出しやすい指標だと考えられる。これらの診査項目のうち少なくとも1項目以上に衰えを認めた者は,女性の方が多かった(38.4&:男性,42.8%:女性)。口腔衛生状態に関しては,プラーク,食渣,舌苔,口臭が基準の中等度以上認められた者はそれぞれ61.3%,45.7%,40.7%,37.3%であった。対象者の約3分の1がいずれかの生活習慣病(NCDs)に罹患し,糖尿病が最高の有病者率を示した。質問調査の結果によると,22.5%の者は「しっかりよく噛んで食事」ができず,28.2%はお茶や汁物等でむせることがあると回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同時に複数の観点から研究を進めている。データの入手が困難な部分はまだ進められていないが、おおむね予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在分析を進めている研究を英語論文として刊行をめざす。高齢期だけではなく成人期の分析をすすめる準備をしており、ライフステージを広く網羅して検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって出張の機会が制限されたため、旅費の支出がほとんど無かった。次年度以降に活用する予定である。
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Research Products
(12 results)