2023 Fiscal Year Research-status Report
コロナ新様式でのNCDsと口腔機能低下の連関要因解明と包括的重症化予防戦略の展開
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22K02172
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
仲井 雪絵 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (70284073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 智子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (20582703)
長谷 由紀子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (30835088)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成人齲蝕 / 初期齲蝕病変 / 重症化予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の世界的パンデミックがもたらした長期間のマスク着用生活による口腔内環境ならびに口腔機能への悪影響が懸念される。文献によると,口腔機能低下症に関連する複数の指標の中で将来の要介護状態の発生に対して最も強い関連を示したのは現在歯数である。現在歯数を決定する「歯の喪失」は,外出することを躊躇させ,他人との会話ならびに会食も控えることにつながり,うつ傾向を高め,オーラルフレイルおよびフレイルに影響すると考えられる。歯を喪失する主要因は齲蝕と歯周疾患である。最近の世界疾病負荷研究(Global Burden of Disease Studies)によると,369種類の傷病の中で有病者ランキング1位は「永久歯齲蝕(未処置)」,また小児における第1位は「乳歯齲蝕(未処置)」であった。齲蝕はいまだ世界的に有病者が多く,個人や社会に大きな経済負担をもたらしている。またわが国における令和4年度歯科疾患実態調査の結果によると,小児を含む若年層において齲蝕有病者率が年々減少しているが,中年以降ではむしろ増加している。平成28年度調査までと比べて成人の齲蝕有病者率はさらに増加している。にもかかわらず,成人期の齲蝕に関する臨床研究は散見するに過ぎない。成人期における齲蝕の発症予防ならびに重症化予防を行うことにより,高齢期の口腔機能維持に貢献できると考える。 本年度は初診時に計画された齲蝕治療ならびに歯周病治療が終了した後,予防目的で継続的に歯科受診した20~80歳の成人患者の初期齲蝕病変に着目し記述統計学的分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は大学基準協会による認証評価を所属機関が受審した。自身が執行部の役職に就いていたため,やむを得ず長期の間その責務を優先し多くのエフォートを注力せざるを得なかった。そのため受審が終わるまで研究の進度は遅滞傾向であったが,年度の終盤にある程度挽回することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度抽出した初期齲蝕病変の経時的変化を口腔内の部位別,年齢別に縦断的に調査する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響によって出張の機会が完全復活とはならず,旅費の支出が少なかった。次年度以降に活用する予定である。
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