2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of the usefulness of a new chicken egg introduction method (Baked Egg Diet)
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22K02174
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
犬尾 千聡 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (30586780)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食物アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
鶏卵アレルギーは日本の食物アレルギーの主要な原因の一つであり、管理には正確な診断と最低限の原因食物の除去が求められる。当院では2017年まで加熱卵白を用いた食物経口負荷試験(OFC)を行っていたが、2018年からは安全性を重視し、baked egg (BE)を用いたOFCを施行している。今回の研究では、BEを用いたOFCの安全性を評価するため、加熱卵白(Heated Egg: HE)OFCとの比較検討を行った。 2018年4月1日から9月30日に行ったBEのOFC(BE群)と、2017年4月1日から9月30日に行ったHEのOFC(HE群)について診療録を後方視的に検討した。BEのOFCは、全卵相当量として全卵2.363gに相当する量で行った。HEのOFCは20分間加熱した卵白を使用し、負荷量は患者ごとに主治医が決定した。 BE群27人(男児20人、74%)、HE群30人(男児16人、68%)であった。月齢、アレルギー症状、アナフィラキシーの既往について両群間で差は無かった。卵白特異的IgE値中央値はBE群で42.2UA/mL、HE群で28.75UA/mLであった。OFCの陽性例はBE群では2例(6.4%)、HE群では19例(63%)であり、統計学的に有意な差が認められた(p<0.01)。誘発症状については、BE群ではGrade1の症状のみが2例認められたが、無治療で自然消退した。一方、HE群ではGrade1,2の症状が16例、Grade3,4の症状が3例で認められたが、いずれもアドレナリン投与は不要であった。 BEを用いたOFCはHEを用いたOFCに比べて安全性が高く、鶏卵アレルギー患者に対して有用な診断手法であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に患者数も集積でき、現在論文発表に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
卵白を用いた経口免疫療法とbaked eggから食事を開始する食事指導方法との予後を比較した検討を行い、論文として報告をする。
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Causes of Carryover |
当該年度に発表予定だった論文投稿が次年度投稿に変更になったため、投稿費用が翌年度に繰り越しになったため
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Research Products
(9 results)