2023 Fiscal Year Research-status Report
Indexing the Kansei value of traditional textiles based on the consumption process for sustainable fashion
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22K02180
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 名誉教授 (50165784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 真智子 三重大学, 教育学部, 講師 (30984025)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 綿クレープ織物 / 伝統織物 / 素材特性 / 感性評価 / 消費者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、持続可能なファッションを推進するために、消費過程を踏まえた伝統織物の感性価値の指標化を目的とする。伝統織物としての綿クレープ織物について、着用から廃棄に至るまでの素材特性変化に着目し、着用時に確認する感性価値の指標化を進め、織物の基本設計や着用時間を軸として感性価値を総括する。消費過程における感性価値を明確にして、着用期間の長期化を勧める消費者教育を通して長く大切に着る消費者意識の醸成に繋げることを目標とする。 これまで、比較的短期間の着用による布の性能変化を捉えるため、繰り返し洗濯試験および着用試験後のルームウェアから試料布を採取して、KES-FBシステムにより素材特性変化を評価した。本年度は、布の集合構造や熱・水分移動特性の変化を測定して考察を深めた。女子大学生を被験者とした正規化順位法による布の触感評価と素材特性との関係を捉え、研究成果を日本衣服学会年次大会で報告した。また、伝統的綿織物を用いた中学校技術・家庭科家庭分野の教材開発と公立中学校における授業実践を継続し、伝統的な綿織物を教材とした授業が中学生の衣生活意識に及ぼす影響について検討した。伝統的綿織物を用いた被服製作実習や簡易実験が、中学生の衣生活行動に主体的に取り組む意識を高める傾向が捉えられ、その教材としての有用性が示された。研究成果は日本家庭科教育学会誌に掲載された。 これと並行して、再利用・再生利用しやすい伝統的綿織物としてのデニム地に着目して、デニム地の素材特性の範囲と特徴、着用による素材特性変化、デニム地を用いたリメイク品の嗜好評価と素材特性の関係について検討し、デニムのアップサイクルに関する基礎的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、繰り返し洗濯試験および着用試験後のルームウェアから採取した試料布について、布の集合構造変化や熱・水分移動特性の変化を測定して、素材特性変化に関する考察を深めた。比較的短期間の着用・洗濯による布の集合構造・凹凸形状の変化は少なく、繰り返し洗濯によりたて糸方向の曲げ剛性が減少し、滑らかさや柔らかさの主観評価値が増加する傾向が確認された。この研究成果について、日本衣服学会年次大会で報告した。また、伝統的綿織物を用いた中学校技術・家庭科の題材開発と授業実践を行い、伝統的綿織物を用いた被服製作実習や簡易実験が、中学生の衣生活行動に主体的に取り組む意識を高める傾向が捉えられた。研究成果は日本家庭科教育学会誌に掲載された。さらに、再利用・再生利用しやすい伝統的綿織物としてのデニム地着用による素材特性変化の範囲と特徴、デニム地を用いたリメイク品の嗜好評価と素材特性の関係について検討している。 以上のように、伝統織物としての綿クレープ織物の素材特性については比較的短期間の性能変化の範囲と特徴を評価することができた。デニム地への応用にも着手している。また、消費者の環境配慮意識の醸成に繋がる消費者教育の題材開発・家庭科における授業実践も進めており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は伝統的綿織物としての綿クレープ織物について、これまで集積した触感評価・着用感評価と素材特性を関連付けに基づいて、繰り返し着用時に確認する感性価値の指標化について検討する。さらに、再利用・再生利用しやすいデニム地やタオルなどの広範囲な伝統的綿織物の素材特性変化の評価、廃棄衣料の素材特性に基づくアップサイクルについても検討する。引き続き消費者の環境配慮意識の醸成に繋がる消費者教育の題材開発・授業実践を積み重ね、持続可能なファッション素材としての伝統的綿織物を提案する。
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Causes of Carryover |
素材特性の測定に必要な治具等消耗品の追加購入を予定していたが、年度内に追加で必要な消耗品が生じなかったため、次年度助成金と合わせて使用する。
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Research Products
(3 results)