2023 Fiscal Year Research-status Report
Clinical phenomenology in rhythm
Project/Area Number |
22K02200
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 類 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20635867)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 野ゆり 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (20550932)
村上 靖彦 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30328679)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 現象学的質的研究 / 発達障害 / ケアリーバー / 当事者 |
Outline of Annual Research Achievements |
20年来、毎週教育実践現場に身を置き質的研究を蓄積するなかで、人間に備わる根源的なリズムこそが教育実践の根幹を成す、と考えるに至った。本研究は、3つの研究から構成される。①国内外の優れた教育実践(幼児適応支援教室、小・中・高校)をリズムの観点から考察した現象学的質的研究を実施し、これら実践においてリズムがどのような役割/機能を果たしているのかを解明する。②この質的研究の成果と国内外のリズム論の文献研究とを往還させることで、本研究独自のリズム論(リズムの定義・構造・教育学的な意義)を生み出す。③そのうえで、上述した教育現場で実践者と共に、本研究独自のリズム論に基づくアクション・リサーチを実施する。その成果に基づき、リズムの観点を導入することが教育実践のさらなる展開や理解に資することを示す。実践から導き出した理論で実践に貢献することを目指すこの一連の研究は、教育哲学における「わざ研究」の展開の一翼を担う「リズムの臨床教育現象学」として結実する。 2023年度、研究代表者の大塚は、児童養護施設のケアリーバーの語りを手がかりに、子どもがおとなになることとリズムの関係について考察した。研究分担者の村上は、現象学的質的研究の方法論をリズムの観点から考察する論考を複数提起した。研究分担者の遠藤は、発達障害をもつ若者がコミュニティの一員となることの困難についてリズムの観点から考察した。このように実践の観点では、生きづらさの根底にリズムがあることが明らかにされ、次年度の研究へとつながる知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールドワークのデータは集まりつつあるが、それをまだ成果として発表するに至っていないものが複数あるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
代表者と分担者の打ち合わせを綿密に行うこと、また、本科研費にかかわるシンポジウムなどを複数企画することにより、研究の推進を図る。
|
Causes of Carryover |
上述のとおり、今年度に複数回の研究会やシンポジウムを想定しており、その際の旅費や人件費で使用するため。
|