2023 Fiscal Year Research-status Report
高等学校における「概念の形成と活用」を組み入れた探究型教科学習の授業モデル構築
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22K02216
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 博之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20207137)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 探究的な学習 / 概念の形成 / 探究力アンケート / 高等学校 / 教科学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の2年目となる2023年度においては、研究協力校を再度訪問して、「探究」をテーマにした学習の基本特性を明らかにした。また、初年度の理論研究によって明らかになった研究知見をもとにして、構造的インタビューの項目を作成し、国内の研究協力校で授業を実施する先進的な教師に対して、インタビューを実施し、その内容分析を通して「探究的な教科学習における生徒主体の概念の形成と活用」をテーマにした授業の実施に関わる隠れた経験的知見(暗黙知や隠れたカリキュラム)を可視化して構造化することができた。さらに、探究力アンケートを研究協力校の生徒に再度実施して、いくつかの高校において授業で活用し、教師と生徒から経験的なフィードバックを受けて改善した。因子分析などの統計的手法を用いて妥当性と信頼性の高い尺度構成を行い、開発した単元構成や学習方式の効果検証を実証的に行うことができた。インタビューの対象となる各教師へは、事前にインタビュー項目をチェックしてもらい同意書を取るとともに、学校や個人が特定されないよう、研究成果の公表に当たっては全体的な傾向のみを記述するようにした。インタビューに当たっては、生徒が特定されないように、生徒A、生徒Bなど記号で識別して話してもらうようにした。音声データを保存したUSBや外付SSDはネットワークに接続したコンピュータでは利用しないようにした。また、フォルダにはパスワードを付けた。最後に、生徒による「概念の形成と活用」を促す「探究の手引き」という補助教材を、日本史探究、世界史探究、古典探究の科目において作成し、その特性を分析することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通りに進捗した。探究力アンケートの分析、研究協力校での授業観察とインタビュー、理論研究の深化など、計画していた研究内容をほぼ計画に沿って実施することができた。なお。海外の学校の訪問調査については、新型コロナウイルスの影響が残っており、実施できなかったが、次年度に実施可能であるため。問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の学校の訪問調査を行う予定である。また、研究成果発信のためのウェブサイトの構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品費の執行が、計画よりも少なかったことが理由である。海外調査ができなかったため、取材で用いるSDメディアや外付けSSDの購入が一部不必要になったため。次年度には、執行予定であり、過不足が起きないようにする。
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Research Products
(1 results)