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2022 Fiscal Year Research-status Report

Froebelist Kindergarten Thoughts and Practices in the Third Reich of Germany

Research Project

Project/Area Number 22K02247
Research InstitutionFukuoka University

Principal Investigator

勝山 吉章  福岡大学, 人文学部, 教授 (30214357)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsフレーベル / ナチズム / 幼児教育 / 幼稚園
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、従来の研究ではほとんど論究されることがなかったナチズムと幼稚園の関係、とくにフレーベル主義幼稚園が、ナチズムにどのように擦り寄っていったか(Selbst-gleichschaltung「主体的な強制的同質化」:Lesanovsky, Werner)を研究の眼目としている。
令和4年度においては、研究テーマに関する史資料の蒐集を主に行った。とくに広島大学教育学部に秘蔵されているドイツ・フレーベル連盟の機関誌であるKindergartenの1933年~1940年版を広島大学の好意で複写できたことは何よりもの成果である。この機関誌をもとに、令和4年12月に長崎大学でオンライン開催された九州教育学会において「ナチズムと幼稚園」と題する報告を行った。
本年度は、ドイツ第三帝国とフレーベル主義幼稚園に関する本国での研究の第一人者Manfred Bergerの二つの著書:Der Kindergarten im Nationalsozialisumus (2019)およびDer Kindergartenwesen im nationalsozialistischen Deutschland am Beispiel der Fachzeitschrift Kindergarten (2015)を、将来の邦訳出版を視座に全訳した。このことは本研究の基盤を形成する。また、幼児教育史学会紀要(2022)に前年度のシンポジウム報告を基に、「海を渡る幼稚園-幼稚園の成立とその世界的展開-その成果と課題について」を掲載した。同論考のなかで、フレーベル主義幼稚園の歴史的進歩性を説いたが、その進歩性が後年ナチズムに換骨奪胎されていく。九州教育学会での報告および「海を渡る幼稚園」を学会誌で論じたことが、本研究の主たる成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「5.研究実績の概要」でも述べたが、令和4年度においては、Manfred Bergerの二つの著作の全訳および雑誌Kindergartenの論考(著者Hans Volkelt)の邦訳を行った。また九州教育学会で報告し、幼児教育史学会誌に論考を掲載した。これらのことで本研究の土台部分が形成されたと言える。そして、ナチズムにおけるフレーベル主義者たちの自主的な強制的同質化(Selbstgleichschaltung)が行われていたとする本研究の仮説が間違いではないことが明らかとなった。

Strategy for Future Research Activity

資料蒐集がまだまだ不十分であり、令和5年度においても国内外の資料を蒐集していく必要がある。とくに雑誌Kindergartenの1940年から休刊される1944年までに掲載された関係論考を集めねばならない。また、同時期に主としてカトリック系の幼稚園関係者を対象に刊行され雑誌Kinderheimを蒐集する必要がある。それからフレーベル主義者が反ユダヤ主義にどれくらい関わったのかを追究する必要から、ナチズムによって刊行された反ユダヤ主義の絵本Bauer Elvira -Trau Keinem FuchsおよびGiftpilzの邦訳を行う。これらの邦訳をもとに、日本ペスタロッチー・フレーベル学会において、絵本からみたフレーベル主義と反ユダヤ主義について論究する予定である。また、年度末には渡独して、ベルリンのBBF(教育史研究所)などで必要資料の蒐集にあたる所存である。

Causes of Carryover

令和4年度末に渡独して必要資料を蒐集する予定だったが、現在の進捗状況から令和5年度に渡独して必要資料の蒐集にあたる方がより効果的と考え、次年度使用の必要が生じた。したがって令和5年度に渡独して資料蒐集にあたる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 海を渡る幼稚園-幼稚園の成立とその世界的展開-その成果と課題2022

    • Author(s)
      勝山吉章
    • Journal Title

      幼児教育史研究

      Volume: 17 Pages: 41-49

    • DOI

      10.20658/youjikyoikushi.17.0_41

    • Open Access
  • [Presentation] ナチズムと幼稚園2022

    • Author(s)
      勝山吉章
    • Organizer
      九州教育学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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