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2022 Fiscal Year Research-status Report

児童生徒のウェルビーイング向上を企図した教育プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 22K02256
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

柴 英里  高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (70611119)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsウェルビーイング / 児童生徒 / 学校教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、学校場面における児童生徒のウェルビーイングの特徴とその関連要因を解明することを第一の目的としている。
2022年度は、子どもたちが自己の可能性を最大限発揮しながら学級での学びをより深めるためには、学級における心理的安全性が確保されていることが重要であるという仮説のもとで研究を遂行した。心理的安全性とは、「チームの中で対人リスク行動をとっても安全であるという、チームメンバー間で共有される信念」のことである。これまで医療現場などの組織行動の文脈で研究されてきたが、近年、学校教育において主体的・対話的で深い学びを実現するために必要な学級風土の文脈で着目されている概念である。授業分析結果から、心理的安全性にかかる教師の発話・働きかけの実態を明らかにし、学級における児童の心理的安全性との関連を検討した。
またウェルビーイングと教育に関連した国内外の文献調査を行った。国外の文献調査では、日本に先駆けて2000年代から児童生徒の学びとウェルビーイングを高めるための学校教育が展開されてきた英国に関する資料を中心に収集した。学校教育において、現代の児童生徒が成長して世界を切り拓いていくためには、どのような知識・スキル・態度・価値が必要か(OECD)という観点から、英国で開発された修学前教育およびキー・ステージ1~4を対象としたSTEM教育の教材分析を行った。地域のステイクホルダーと協働しながら、持続可能な社会の構築を能動的かつ協働的に実現することが目指された本教材は、子どもたちのウェルビーイング育成において重要な示唆を与えてくれると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウェルビーイング向上に資する教育可能な要因とそれらを育む具体的な方法を明らかにするための基礎資料を得るために、児童生徒の学校におけるウェルビーイングに関するデータのテキストマイニングを行った。ウェルビーイングの概念は多義的であるため、引き続き、文献調査結果と質問紙調査結果を照らし合わせながら、ウェルビーイングの構成概念・構成要因の整理を進める計画である。
また英国における児童生徒を対象としたSTEM教材の分析を進め、その内容・特徴を明らかにした。それらの知見は、児童生徒のウェルビーイング向上を企図した教育プログラムを開発するという本研究課題の第二の目的を遂行するための基礎資料となる。

Strategy for Future Research Activity

2023年度(2年目)は、児童生徒のウェルビーイング向上を企図した教育プログラムの開発に主眼を置いて、次の2つをサブテーマとした研究を推進する。
(1)国内外におけるウェルビーイング関連の文献・教材・カリキュラム分析:児童生徒を対象としたウェルビーイング向上に資する可能性のある教材やカリキュラムの分析を行う。その際、教科は限定せず幅広く教材・カリキュラムを収集する計画であるが、2022年度の研究成果から、STEM教材に焦点化することを考えている。
(2)児童生徒のウェルビーイング向上に資する教育プログラム・教材開発:(1)で得られた知見をふまえながら、ウェルビーイング向上を企図した教育プログラム・教材のプロトタイプを開発する。開発された教育プログラム・教材は、現職教員に協力を依頼し、ブラッシュアップを図ったのち、2023年度以降に効果検証を行う計画である。

Causes of Carryover

当初、英国調査研究にかかる人件費・謝金を計上していたが、2022年度は文献調査が中心となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、研究遂行において適切に執行する。具体的には、本研究遂行において欠かせない研究協力者への謝金として使用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 小学校における児童及び教職員のセルフ・コンパッションについてーマインドフルネス瞑想の試みー2023

    • Author(s)
      松木啓、岡田倫代、柴英里、古口高志
    • Journal Title

      高知大学学校教育研究

      Volume: 5 Pages: 31-38

    • Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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