2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and practice of "interdisciplinary" curriculum in Diadema
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22K02287
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
佐藤 雄一郎 大阪青山大学, 子ども教育学部, 講師 (10849045)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パウロ・フレイレ / 「解放」 / サンパウロ市 / カリキュラム / 教科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、サンパウロ市教育長としてパウロ・フレイレが改革を進めた、「学際性」カリキュラムにおける教科の位置づけに関する研究を行った。サンパウロ市教育事務局から1992年に発行された『エリアビジョン』シリーズおよび『実践レポート』シリーズの読解を通して、その教科教育にフレイレの思想がどのように反映されているか、またその思想において教科間がどのように連関しているかを明らかにすることを試みた。 その結果、以下の4点が明らかとなった。①『エリアビジョン』は、当該分野の専門家が責任者となり、10の実験校区の担当者との共同執筆だが、生徒が生きる「社会」や「現実」を批判的に読み解き「変革」を目指す、というフレイレの思想は共有されている。②その共通性を有しつつ、ポルトガル語科の「表現」、芸術科の「創造」、数学科の「推論」、地理科の「空間」など、教科特性に応じた概念、教科を学ぶ意義、教育内容編成の考え方が示されている。③しかし、生徒が生きる現実に即した教育が強調されているがゆえに、学問的系統性の観点は無い。④『実践レポート』には、10の実験校における実験的・開発的な実践を掲載されており、教師の力量形成の意味あいも大きい。 これらの知見は、フレイレ教育学における科学的知識あるいは学問的知識の位置づけを知るうえで重要である。また、今日の日本の教育に対しても、子どもの生きる現実との関係から教科を学ぶ意義や教育内容を考えていくことの重要性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
『エリアビジョン』シリーズの翻訳および読解作業はおおむね順調に行うことができたが、当初予定より『実践レポート』シリーズの翻訳および読解作業に遅れが生じている。それにより、教育実践レベルのカリキュラム改革・授業改革がどのように行われたのかについて明らかにすることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、フレイレ教育学を採り入れているブラジル・ディアデマ市のカリキュラム政策について明らかにする。そのために、ディアデマ市の政策文書や同市のカリキュラム政策の変遷に関する文献等の読解を進め、フレイレ教育学を採り入れた経緯を明らかにする。また近年の国際的な潮流でもあるコンピテンシーの育成との関係性についても検討する。 並行して、フレイレがサンパウロ市教育長時代のカリキュラム改革について、『実践レポート』シリーズの翻訳および読解作業を行いつつ、研究成果を論文としてまとめていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた研究目的での出張が取りやめとなったため。次年度使用額については、物品費(書籍費)に充てる予定とする。
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Research Products
(4 results)