2023 Fiscal Year Research-status Report
歴史科目における論述能力育成の指導・評価法の研究:オーストラリアを事例として
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22K02322
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
下村 隆之 近畿大学, 教職教育部, 准教授 (50633781)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オーストラリア / 論述能力 / 歴史教育 / 思考力 / 表現力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オーストラリアの歴史教育に関する歴史的思考力の育成を、生徒が自ら思考し、表現する論述力の視点から分析を試みている。 研究に関して、オーストラリアにおける歴史教育における最新の文献収集をはじめとして、具体的な教材の収集や、公表されている実際の生徒の記述された論述作文の収集と分析も試みている。 さらに、歴史教育の専門家や中等教育の歴史担当教師、ニュー・サウス・ウェールズ州のヒストリー・ティーチャー・アソシエーションなどへの聞き取り調査なども実施し、実践的研究の深度を深めている。 他方で、近年人口知性(AI)の普及に伴う生徒の学習に関する弊害が指摘されるなどの課題なども確認でき、従来まで行われてきた生徒の論述能力の育成に対して、時代の変化に伴った新たなアプローチが必要となることが確認でき、高度情報技術社会における論述能力の育成が模索されていることも、研究の成果として確認された。 この研究は、日本の学校で実施されているような、知識の反復を強調したドリル学習や一問一答といった学習内容に変化をもたらすことが期待される。なぜなら、それは知識集約型とは完全に異なるオーストラリアの歴史教育の方法を探究したものであり、歴史教育において、思考作業的な学習が展開されている点に着目している。これはつまり、日本において従来よりなされてきた知識の蓄積を目的とした暗記学習というのは全く想定されていないことであり、生徒が思考し判断したことを如何に文章として表現するかという点に特化した学習方法を低学年から展開し、論述能力を醸成しているからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務校における在外研究中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を実施し、さらに不足分の情報の収集にあたる。
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Causes of Carryover |
勤務校における在外研究中のため、次年度使用額(B-A)(Amount to be Used Next Fiscal Year)500,000円は次年度に繰り越される。
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