2023 Fiscal Year Research-status Report
地方議会における教員政策の民主統制と専門職的自律の相克に関する研究
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22K02344
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
阿内 春生 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (10608839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 和昭 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20582886)
長野 基 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (50367140)
櫻井 直輝 放送大学, 教養学部, 准教授 (60785385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教育行政学 / 地方教育行政 / 教育と政治 / 地方議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は政令指定都市の市議会議員の政策に関する関心について検討し、特に教育政策への対応を明らかにするものである。政令指定都市は教職員の人事権・給与負担の権限を持ち、学校設置の義務も負う日本国内唯一の自治体累計であり、教員政策をはじめ、教育に関する権限と責任を負っている自治体に注目する研究設計にとって重要な対象である。 2023年度は政令指定都市議員の調査研究を進め、日本共産党所属の元政令市会議員に対するインタビュー、資料収集を行った。日本共産党は各政令指定都市議会に議席を有するものの、議会内に多数派を形成している自治体はない。一方で、日本共産党は一部の教職員組合とのかかわりがあり、教職員出身議員の活動を検討する一環として事例研究に取り組んだ。 その結果、日本共産党出身の地方議員について、組織内議員としての性格を持たないことや、支持団体としての教職員組合とのかかわりも他の教職員組合とは異なることが示唆された。このことについては、日本教育行政学会の2023年度大会において既に報告しているが、論文の公刊に至っていないため、今後論文の修正等を進め、論文交換に向けた質の向上を図っていく。 また、大都市制度との関係で、政令指定都市議会が教育政策にかかわるうえでの、制度的、理論的な論点を整理し、今後の研究課題について検討を行った。その結果、政令指定都市議会の選挙制度であるSNTVを前提とした選挙制度との関係や所属会派に注目した検討が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は共産党所属の元市会議員の調査を中心として概ね、予定通りに進捗している。成果の論文についても今後公刊できるよう、投稿準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果から、各会派所属の市会議員の活動が一定程度明らかになる一方で、特定の市議会に注目した集中的な調査研究が必要であることが示唆された。そこで計画の最終年度となる2024年度は、特定の市議会(現在調査を進めている)に焦点化して、会派縦断的な調査を進める予定である。5月時点ですでに一部の会派のインタビューを得ており、今後他会派のインタビューや資料収集などを進める。
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Causes of Carryover |
研究最終年度の継続調査、学会報告などを含めた旅費等での使用を想定しているため。
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Research Products
(4 results)