2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K02348
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岸田 由美 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (80334754)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 元留学生 / 地方定着 / ライフストーリー / 複線径路等至性アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方に定着(留学した地方で就職し、そこで働き続ける)した/しなかった元留学生のライフストーリーから、留学中及び就職後のどのような経験が地方で働くことへの関心や選択、その選択の持続に影響を与えるのかを分析し、その実際的なプロセスを視覚化することを目的としている。 初年度にあたる22年度には、まず、留学生の就職や定着にかかわる国内外の研究について文献研究と学会での情報収集を行った。あわせて、複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いた先行研究をふまえ、インタビューの方法や内容について検討を進めた。インタビューのテーマや対象についても改めて検討し、調査計画をとりまとめて学内で倫理審査を受け、承認された。その後研究協力者候補の選定と依頼を行った。研究代表者とつながりがあり連絡可能な研究協力者候補をリストアップし、まず、県内企業に就職して5年以上経過した元留学生から協力依頼を行った。しかし、最近1~2年の間に転職・転出した者も複数確認されたため、隣接する県に就職して5年以上経過する元留学生に対象を拡大して協力を依頼した。その結果、県内を含む北陸地方居住の元留学生4名を対象として計5回のインタビューを実施することができた。インタビューは本人の希望を確認し、研究協力者の希望の場所ですべて対面で実施した。この4名はいずれも中国出身で、北陸地方の企業で約10年、あるいはそれ以上勤務する、地方定着の度合いが高い人たちである。 インタビューはすべて許可を得て録音し、音声データを基に逐語録を作成してテキストデータををQDAソフトに取り込み、TEAによる分析を順次進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者候補として当初想定していた元留学生のなかに、最近首都圏に流出してしまった人がいるなどしたため、候補者の範囲や対象について計画の再検討が必要だった。結果、研究協力者との連絡調整に想定よりも時間を要し、インタビューの実施回数が予定を下回ったが、反面、人材の地方定着の難しさや本研究課題の重要性を再確認することもできたので、本研究にとっては意義のある遅れであったと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、北陸地方に就職した元留学生のライフストーリーデータの収集と分析を引き続き行う。今後はキャリア5年程度の、中国以外の国籍も含めた元留学生に協力依頼を拡大し、ライフストーリーデータを収集する。北陸地方で就業中の元留学生については10人分のデータを収集することを目標とする。大都市部に就職・転職した元留学生についても研究協力者の探索を進め、順次インタビュー調査を実施する。
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Causes of Carryover |
差額が生じた理由としては、(1)協力者の選定に予定より時間を要し、インタビュー調査の年度内実施回数が少なくなったことのほか、(2)音声データの文字化について、大学院生等を雇用して自動文字起こしデータの編集を行ってもらう予定であったが、自動文字起こしの精度が当初の想定よりよく編集作業を委託する必要がなかったてめ、謝金予算を圧縮できたことが大きい。2023年度予算においても謝金を節約できる見込みであることから、繰越金とあわせ、2023年度は大都市部でのインタビュー調査や学会等での情報収集に十分な予算を充てることが可能となった。旅費の節約と新型コロナ感染防止を兼ねオンラインでのインタビュー調査を多く取り入れる予定であったが、北陸地方でのインタビュー実施時にも対面の方が話しやすいと協力者が対面を希望することが多かった。大都市部等遠方に居住する元留学生対象の調査においても、本人の希望があればすべて対面で行えるようにしたい。
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