2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K02348
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岸田 由美 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (80334754)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 元留学生 / 地方定着 / ライフストーリー / 複線径路等至性アプローチ / 高度外国人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
留学先地方に就職して5年以上を経過した中国人元留学生4名に対する継続調査(インタビュー調査2回目、3回目、計8回とメールのやりとり)を実施し、調査協力者との協働による複数回の確認と修正を経ながら、各人についてライフストーリー及び複線径路・等至性モデルによる分析結果としてのTEM図を完成させた。その上で4人分のデータを横断的に分析し、留学先地方での就職と定着に至る分岐点と人生の選択に影響した要素を包括的に分析したTEM図を作成した。その成果をシンガポールで11月に開催されたWERA (World Education Research Association Focal Meeting) 2023年大会で発表し(発表タイトル“Why I keep working in a smaller regional city in Japan: life stories of former international students”、優秀ポスター賞を受賞した)。 加えて、地方定着を阻害する要因や人生径路の多様性をより多角的にとらえるために、中国人元留学生で、留学先地方に就職したものの大都市部の企業に転職した者、留学先地方での就職を希望したもののかなわず大都市部の企業に就職しそのまま大都市部に定着した者に対するインタビュー調査にも着手した。23年度中には3人の調査協力者に対して各1回のインタビューを実施した。 並行して、国内外の関連テーマの文献研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査のペースが予定より遅れているものの、地方定着中の元留学生の調査結果については横断的な分析を進め、その成果について国際学会で発表し、その内容を評価されたことによって、本研究の意義を確認し、国際的に発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、地方から大都市部に転職した中国人元留学生への調査を継続してライフストーリーと人生径路図の作成を進める。 出身国や文化による経験の違いの有無や多様性を検証するため、中国人以外の元留学生を対象とする調査にも着手する。 研究成果発表、論文投稿にもとりくむ。
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Causes of Carryover |
2023年度中の大都市部におけるインタビューの進行が若干遅れたたため次年度使用額が生じたが、2024年度中に前年度に実施できなかった分の調査も含めて実施する。
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Research Products
(1 results)