2023 Fiscal Year Research-status Report
難関大進学者/非進学者に焦点をあてたジェンダーによる進路分化のメカニズム
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22K02358
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊佐 夏実 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 准教授 (80601038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀口 まか 龍谷大学, 文学部, 教授 (10554082)
中村 瑛仁 京都教育大学, 教育学部, 講師 (30756028)
知念 渉 神田外語大学, グローバル・リベラルアーツ学部, 准教授 (00741167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジェンダーと進路選択 / 難関大進学 / 地域間格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である,進路選択のジェンダー差が生じる背景を明らかにするために,本年度は難関大に在籍中の女子学生に対してひとりあたり二時間程度のインタビュー調査を実施した。対象者はいずれも同じ大学に在籍しており,学部は文系がやや多いものの,理系学部に所属する者もおり,比較的偏りなく選定している。また,出身地域も考慮し,都市部出身者に偏らないよう配慮した。 インタビューでは,進路選択に至るまでの過程について,幼少期の経験から高校での進路選択,家庭の状況等を含めて幅広く聞き取りをしている。対象者の語りからは,「女性であることを理由とした」明確な進路選択における障壁はあまり語られることはなかった。しかし,浪人の選択可能性や,地域移動をするうえでの条件など,対象者本人には十分自覚されていない障壁の存在も明らかとなった。 現在収集しているデータをもとに,都市と地方での違いや,学部・専攻による違い,家庭背景による違いなど,女性内部の多様性の軸について検証をすすめた。 また,調査メンバー間での議論をすすめるための研究会の実施や,今後の調査に向けた追加インタビュー対象者の選定も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学生へのインタビュー調査について,第一段階として特定の難関大学に在籍している複数の対象者への聞き取りが順調に進んでいる。今後,インタビューが必要な対象者についてもおおむねめどがついており,さらなるデータ収集と,分析視点の発展が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に実施をしたインタビュー調査対象者と同じ大学に在籍する男子学生や,彼女たちと出身高校が同じで,他大学に進学した学生等を紹介してもらい,インタビューを継続していく予定である。また,都市と地方の進学機会の格差をより詳細に明らかにするために,特定の地方都市の進学高校出身者を対象とした調査を新たに実施することで,地域のリアリティをふまえた進路選択の諸相を,ジェンダーの視点から明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定では,1年目にアンケート調査を実施する予定であったが,研究計画を変更しインタビュー調査対象者を変更することになった。そのため,2年目から実査を本格的に行い,当初予定ではまとめの年度であった2024年度にもインタビュー調査を引き続き実施することになった。それに要する費用を繰り越している。
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