2022 Fiscal Year Research-status Report
近代メディアの評価的言説に表象される女学生イメージの変遷に関する研究
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22K02359
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Research Institution | Musashino Junior College |
Principal Investigator |
野村 和 武蔵野短期大学, その他部局等, 教授 (70435238)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近代女子教育 / 高等女学校 / 婦人雑誌 / ジェンダー / 女学生 / 近代メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代に形成された女性観と、そこに女子教育が与えた影響を考察するための新たな視点として、高等女学校等の女子教育機関とそこで学ぶ女性たちに向けられた社会的な眼差しとその変遷を明らかにすることを目的としている。雑誌及び新聞における言説分析を主なる研究方法としながら、社会が「女学生」や「女学校出」の女性たちをどのように捉えていたのかを明らかにし、女子教育の意義を再検討しようとするものである。 2022年度には、近代女子教育史や近代女性史の先行研究を整理した上で、①新聞の記事検索・分類、②雑誌の記事検索を行った。特に①の新聞記事検索と分類では「東京朝日新聞」の1880年代から1930年代の記事についての収集や内容の確認を行うことができた。分類については、肯定的・否定的言説の分類ができているが、執筆者の属性や内容による分類は雑誌記事の内容分類との調整が必要となる。②の雑誌については、『主婦之友』及び『婦人公論』の目次一覧を確認した。一覧の中で該当記事が少ないため、記事内容の確認をどこまでするのかについて検討をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に予定していた新聞の記事検索及び雑誌の記事検索について概ね確認ができた。ただし、研究遂行の中で新聞と比較して雑誌の該当記事が予想していたよりも少ないことが懸念点である。目次一覧での検索だけではなく記事内容にあたるのが理想だが、分量的に実施が困難となる。新聞の記事を中心として分析を行うのか、対象とする雑誌を増やすのかについて検討をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、2022年度に確保した資料の分類を行う予定である。まずは新聞の記事資料を分類しながら、特に女学生や女子学生のイメージを1910年以前と以後に分けて分析していく。さらに、雑誌記事の内容確認及び分類を実施する予定である。こちらは確保できている資料が不十分な可能性があり、対象とする雑誌を増やすことも検討しながら分析を行っていく。2023年度内には、近代メディアに表出した「女学生イメージ」の概要について、学内紀要に論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン開催となり、計上していた旅費が不要となったことと、プリンター備品等の消耗品の購入を延期したことによる。2023年度においては学会への参加を想定していることと、延期していた消耗品の購入をおこなうために、次年度使用額としたい。
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