2022 Fiscal Year Research-status Report
保育者養成における「保護者の子どもの健康管理」アセスメント教育モデルの開発と検証
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22K02431
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
寺薗 さおり 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90457937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 桂子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (80143254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 健康管理 / 保護者 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、保育者養成課程から活用可能な「保護者の子どもの健康管理」アセスメント教育モデルを開発する。研究初年度は、保護者の子どもの健康管理をアセスメントする視点とその内容を明らかにすることを目的とした。 まず、保育・教育機関における保健活動に関する先行研究やテキストから、保護者の子どもの健康管理の視点を検討した。その結果、①健康診断の管理、②日々の健康状態の把握、③生活リズムの調整、④感染症予防対策、⑤虫歯予防対策、⑥体調不良時の対応、⑦家庭における衛生管理、⑧行事参加の調整、⑨安全な環境調整、⑩傷病時の対応、⑪災害への備えという健康面と安全面の視点が抽出された。 次に、それぞれの視点に対する保護者の子どもの健康管理に関する内容を検討した。その際、保育所保育指針解説(厚生労働省2018)、幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説(内閣府・文部科学省・厚生労働省2018)、幼稚園教育要領解説(文部科学省2018)、保育者養成用として公刊されている「子どもの保健」や「子どもの健康と安全」等のテキスト他、教育・保育分野における先行研究に記載されている「基本的生活習慣」、「保健活動」や「健康支援」に関する内容を抽出した。また、保育・教育機関における個と集団という場の観点から子どもの健康保持に必要な保護者の認識や子どもへの世話、そして乳幼児期の子どものセルフケア獲得の観点から、①から⑪の視点における具体的な内容を整理した。その結果、①13項目、②8項目、③11項目、④13項目、⑤7項目、⑥17項目、⑦11項目、⑧12項目、⑨10項目、⑩10項目、⑪10項目、合計122項目を抽出し、研究者間で内容妥当性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画当初は保育所を利用する子どもに対する保護者の健康管理を対象としていたため、保育所の園長や保育所看護師に協力を得、①から⑪の視点における具体的な内容の妥当性を確認する予定だった。しかし、先行研究により幼稚園においても子どもの健康支援をしていく上で保護者との連携に課題があり、保育・教育機関における保護者の子どもの健康管理を検討していく必要性が示唆された。そこで、保育所のみならず幼稚園や認定こども園への調査依頼が必要となりやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
内容妥当性指数により確認された①から⑪の視点における具体的な内容から「保護者の子どもの健康管理」に関するアセスメント項目を抽出し、「保護者の子どもの健康管理」アセスメントツールを作成する。また、本ツールを用いて保育者(保育士・保育教諭・幼稚園教諭)を対象に質問紙調査を実施し、「保護者の子どもの健康管理」に対する保育者の支援上の課題を明かにし、今後のアセスメント教育モデルの構築へ繋げていく予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象者を変更したため、質問紙調査の実施が遅れている。2023年度は、質問紙調査に関する必要経費、学会発表や研究論文の投稿等の経費や対面による分析および検討会議実施に関する経費として使用する予定としている。
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