2022 Fiscal Year Research-status Report
保育における協同的な活動を支える子ども参画型アセスメントシステムの開発
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22K02440
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 浩司 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (50535036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 雄大 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (00737033)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 写真投影法 / モザイクアプローチ / 意見表明 / 5歳児クラス |
Outline of Annual Research Achievements |
都内私立保育園5歳児クラスに協力を依頼し、写真投影法の実施を試みた。 特に、本年度は、カメラを用いた写真投影法実施のための準備段階として、1)幼児のカメラ使用時の安全管理、2)保育実践への侵入性、3)撮影に際しての幼児への教示のあり方、 といった実施上の留意点をリストアップすると共に、4)保育者が幼児の撮影した写真から実践の方向性を検討するための効果的な省察法、について検討した。 大学での倫理審査の承認を受けた上で、上記の試行を実施したところ、いくつかの課題が見出された。1)については、幼児の注意が散漫になり、事故に繋がらないようにするための方法を慎重に検討する必要があること、2)写真撮影そのものは日常の保育実践に与える影響は限定的であるが、カメラ使用の回数が少ないと、どうしても操作に意識が向いてしまうこと、3)使用するカメラを統一し、操作負担が最低限で抑えられる機材を揃える必要があること。また、一人一台のカメラ購入は予算的に限界があるため、撮影日をグループ化して実施する必要があること、4)子どもが撮影した写真の整理に工夫が必要であること、が見出された。 これらの課題については、可能な限り本年度中に解消するように試みたが、特に4)の写真から子どもの新しい視点を引き取り、そこから保育実践にどのように活かしていくか、という点については課題が残された。 一方で、こうした手続き上の難しさそのものを整理し、解決する方法を見出すこと自体が、本研究の目的のひとつであり、保育者と相談をしながら丁寧に進めていくことが必要であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理審査の承認以降、すみやかに研究を進めることができた。ただし、実施上の課題もいくつか見出されており、その点を早急に解決することが必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は予定通り、年度内に数回、集中的に写真投影法を用いた保育実践の観察を進める予定である。すでに2023年度の研究倫理審査の承認を受けているため、保育者・保護者の承認を受け次第、速やかに研究を実施する。
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Causes of Carryover |
準備機材の購入が遅れたため、一部、未使用額が発生したが、次年度に機材購入を行う為、速やかに支出されることが見込まれる。
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Research Products
(2 results)