2022 Fiscal Year Research-status Report
育児ネットワークの「比較」機能が母親の育児満足感に及ぼす影響と応用可能性の探求
Project/Area Number |
22K02466
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金 娟鏡 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (20709852)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 育児ネットワーク / 比較機能 / 自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、育児ネットワークが支援機能のみならず、「比較」機能をも有する(金,2007)ことに注目し、育児ネットワークの比較機能が母親役割満足感に及ぼす影響およびその応用可能性を明らかにしようとするものである。 当該年度(2022年度)は、母親が育児のどのような側面について、育児ネットワークの構成員と比較するようになるかを明らかにするため、育児の各側面に関する質問項目を選定することとした。そのため、日本保育学会第75回大会に参加し、関連情報を収集するとともに、国会図書館が所蔵する雑誌記事データベースを用いて、先行研究を精読し、育児の各側面に関する構成概念を整理した。これらに基づいて、幼児期の育児に関する5つの側面からなる26項目を選定した。具体的には、子どもの考えを受容し、子どもの心情に共感するといった「情緒的応答性」、食事・睡眠・清潔・衣服の着脱などの形成を促すといった「基本的生活習慣」、日常生活におけるマナーを教えるといった「しつけ」、できるだけ早い年齢のうちに子どもの能力を高めようとするといった「早期教育」、子どもを取り巻く人々との交流やつながりを作るといった「人間関係」を含む5つの側面である。次に、育児ネットワークの比較機能に影響を及ぼす要因について、先行研究を検討し、母親が育児ネットワークの構成員との関わりの中でどのように注意を向けているのか、自己の内外に注意を向ける程度との関連から検討をしていくこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の整理を通して、育児の各側面に対する概念の検討や測定する項目を選定できたこと、次年度以降の質問紙調査の準備が整ったことから、おおむね順調に進んでいると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度に作成した育児の各側面に加え、育児ネットワークの比較機能に影響を及ぼす要因に関する尺度項目を選定し、両者の関連について、質問紙調査によって具体的に検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、オンラインで開かれる学会に参加したため、旅費の使用がなく次年度使用額が生じた。次年度はこの残額を物品費、複写費として使う予定である。
|