2023 Fiscal Year Research-status Report
育児ネットワークの「比較」機能が母親の育児満足感に及ぼす影響と応用可能性の探求
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22K02466
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金 娟鏡 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (20709852)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 育児ネットワーク / 比較 / 自己意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、育児ネットワークが支援機能のみならず、「比較」機能をも有することに注目し、育児ネットワークの比較機能が母親役割満足感に及ぼす影響およびその応用可能性を明らかにしようとするものである。 2022年度では、母親が育児のどのような側面について、育児ネットワークの構成員と比較するようになるかを明らかにするため、育児の各側面に関する質問項目を選定することとした。そのため、先行研究から育児の各側面に関する構成概念を整理した。これらに基づいて、幼児期の育児に関する5つの側面「情緒的応答性」「基本的生活習慣」「しつけ」「早期教育」「人間関係」から成る項目を選定した。2023年度では、育児ネットワークの比較機能に影響を及ぼす要因について先行研究を検討したところ、母親が育児ネットワークの構成員との関わりの中でどのように注意を向けているのか、母親が自己の内外に注意を向ける程度との関連から検討をしていくこととした。そのため、国会図書館が所蔵する雑誌記事索引データベースを用いて、自己の注意の向け方に関連する先行研究を検討した。具体的には、自己の内面的・個人的側面に注意を向けやすい傾向である「私的自己意識」と他者から見られる自己を意識する傾向である「公的自己意識」の2つの側面に係る質問項目を選定した。これらを昨年度に得られた成果と合わせることで、育児ネットワークのどの構成員に対して、どのような育児場面で、どのような自己意識を感じやすいのか、各要因間の関連を測る調査票を作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児ネットワークの比較機能と自己意識の関連を検討するための質問項目を選定できたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査を実施および分析を行い、研究成果を論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
質問紙調査費用については次年度使用を予定しているため、差額が生じた。次年度は質問紙調査の実施に係る費用として消化している予定である。
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