2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on development of exercise capacity and motor skill in early childhood.
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22K02473
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Research Institution | Okazaki Women's University |
Principal Investigator |
春日 規克 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 教授 (60152659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 晋 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 教授 (00566549)
平野 朋枝 名古屋短期大学, その他部局等, 教授 (60369527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 調整力 / 幼児運動能力 / 運動動作の発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
十数年前から低下したと言われる子供の体力は現在も体力低迷状態として続き、「鬼ごっこの最中にカーブしながら走れず壁にぶつかる」、「ドッチボールのボールを避けられない」など筋力や持久力の低下といった基礎的体力の低下だけでなく、身体調整力の低下にも現れている.運動の技術要素である調整力が優れることは、子供の運動への有能感やスポーツへの関心を高めることから、幼児の運動の習慣化として体力向上につながり、さらにはコミュニケーション能力や社会性の発達、成人以降のライフスタイルや健康維持の要因にも影響するとも考えられる.そこで、1)幼稚園年中(4-5歳)児;年中(5-6歳)児の同園児70名を対象とし運動能力の2-3年間の継続測定により、幼児期に伸ばすべき体力要素として含まれている調整力について検討する.また、2)基本動作の中の調整力の発達に関する測定として、両足でジャンプができる→より遠くにジャンプができる→安定した着地ができるといった、幼児期の運動動作の上達について、体力の発達との関連から調べる.さらに、3) 子どもの体力低下が問題視され、幼児期からの身体活動の重要性が叫ばれているが、幼児期の体力と成人期以降の体力・健康を結びつけることのできる直接的証拠を示す報告はみられない.そこで、幼児期に最も近い小1から高3までの体力測定結果の縦断的分析を行う.これは、小学校、中学校、高校と受け継がれ、高校に残る卒業生個人の過去11年間の体力・運動能力テスト結果の推移を調査し、幼児・学童初期の運動能力と調整能力が青年期以降の体力運動能力に及ぼす影響を検討しようとするものである.以上の3段階の研究より、体力・調整力を高めるべき幼児にとって必要な運動や運動指導の至適性を科学的根拠から示すことのできる研究を目指すものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼児用の体力・運動能力測定としては、年中(4-5歳)児と年長(5-6歳)児の園児70名を対象とし、2年間の継続測定を計画し、昨年度は年中児の測定を終了し本年度は年長クラス(昨年度実施した年中児)を対象に測定の計画が立てられている.昨年の測定は「幼児運動能力検査」を参考とし、これに調整力を調べる目的で、 1.5m間隔15mジグザグ走、4cm幅棒渡り、距離1/2立ち幅跳びの3項目を加えて測定されている.本年も同項目を測定し、素早い動きにつなげる調整力、視覚・平衡感覚・足底の皮膚感覚や脚深部感覚の情報処理能力、目測に基づく下肢の力発揮調整能力の発達と体力・運動能力の発達との関係を検討する.また、幼児期の運動動作の上達変化について、投球フォーム、立ち幅跳び、飛び降り着地時の緩衝動作を、年小・中・長児各30名を測定対象とし1年目の測定を終了した.各動作は1方向から毎秒120フレームの高速カメラ撮影を行い、Googleが開発したマーカーレスモーションキャプチャー技術により、被写体の肘、肩、腰、膝、足首の5関節のトラッキングを行い、各関節角度変化による協応性や緩衝能を分析中である.取り込んだ画像から、トラッキング精度を高めるため分析プログラムの調整を行なっているが、取り込んだ画像の鮮明さから特に投球フォームの3D解析には精度が欠けるなど問題が残されている.立ち幅跳びと飛び降り着地動作に関しては、側面からの撮影で2D解析処理が進んでいる.さらに、小学校・中学校・高校で測定された個人ごとの形態計測と体力テスト結果を3つの高等学校に協力を得て 約1000名分の過去11年間の値を個人名が特定できぬよう記号化し転記を進めている.転記された体力テスト項目の中の調整力に関与する走投跳に特に着目し、11年間の体力運動能力の発達との関係を検討する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目の本年は、昨年に幼稚園年中(4-5歳)児を測定した同園児を対象に、年長(5-6歳)児としての運動能力、調整力を昨年と同条件にて測定する。この内容は「25m走」,「立ち幅跳び」,「両足連続跳び越し」,「ボール投げ」の測定と、最大努力下の筋力発揮の過程での調整力「ジグザグ走」「棒渡り」「1/2立ち幅跳び」である.それぞれ、ストップモーションから次の素早い動きに繋げる調整力、視覚・平衡感覚・足底の皮膚感覚や脚の深部感覚の情報処理と適切な筋運動発現能力、目測に基づく下肢の力発揮調整能力という能力とその1年間の発達度について、基礎的体力・運動能力との関係を検討していく. 投球フォーム、立ち幅跳びの協応動作性、飛び降り着地時の緩衝動作の上達変化を調べる研究に関しては、昨年度に測定した画像の解析法の開発とともに実際の分析を進める.本年度は昨年に年少・年中であった同幼児の各動作を、同手法により高速カメラ撮影を行う.画像の解析法の更なる開発としては、カラーから白黒処理やトリミング、被写体の限定のためのモザイク処理(安全性を考慮した補助者が画像に入り込みトラッキングの干渉となることの防止のため)などによる、トラッキング精度の向上を図る.分析目的として、投球動作では、前腕のみの動作→上体のひねり動作→下肢との協応動作の発達、立ち幅跳びは、踏み切り前の予備動作、踏み切り時の各関節の角速度変化、下肢と上肢の協応動作を、飛び降り着地動作では、足底部が床面に接してから動作停止までの腰・膝関節の角度変化、最大屈曲角度、緩衝動作としての腰・膝関節屈曲から伸展への切り返し時間、上体の協応動作の発達変化を検討する.小学1年からその同一個人の高校3年まで11年間の体力・運動能力測定結果は、本年度内に紙面で残されている過去の記録を可能な限りExcelに転記を終了し分析に移行するよう努力する.
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Causes of Carryover |
画像解析を外注しているが、解析が遅れ分析結果が遅れたため後半の支払い請求が届かず未納のため. その理由としてコロナ禍で実験が遅れたこと、動作撮影画像からマーカーレスモーションキャプチャーを行うには、被写体の顔・目、唇が重要要素となるが、マスク着用で撮影が進みその修正処理や、撮影環境が実験室などの好条件下でなく体育館内での幼児の遊びのなかでの撮影のため、被写体以外のものの映り込みがあり、その除去に時間を要したためである.
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Research Products
(1 results)
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[Book] 親子トレ2022
Author(s)
山下 晋、平野 朋枝、春日 規克
Total Pages
64
Publisher
フリースペース
ISBN
978-4-434-31469-8