2022 Fiscal Year Research-status Report
国語科教育における「個別最適化」対応のための指導過程の再検討に関する調査的研究
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22K02491
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50193850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 守 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00381020)
山元 隆春 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90210533)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 読むことの学習指導 / 指導過程 / 個別最適化 / 文学の指導論史 / 読むことの実践論 |
Outline of Annual Research Achievements |
「国語科教育における「個別最適化」対応のための指導過程の再検討に関する調査的研究」として、以下の研究を進めた。 ①従来の国語科の読むことの指導過程を中心に、「個別最適化」がどのように取り組まれてきたかを整理し、1980年代以降は、定式化された指導過程の中に「個別化」が取り組まれるようになってきたことが捉えられた。 ②「個別最適化」は、アメリカを中心とした読むことの指導理論に色濃く反映されてきたことが明らかになった。個々の国の教育事情に異なる面があるため、直輸入的に我が国に取り込まれてきたわけではないが、発想、成果などの点の精細な検討が行われ、一定の積極的需要が始まっている現状を把握した。 ③愛媛大学附属高校授業研究会に調査を担当する大学院生らと参加し、三浦和尚元愛媛大学教授の「とんかつ」の授業を参観し、5人の視点から「個別最適化」の状況を調査、把握した。分析によると「個別最適化」に関する認識に高い共通性は認められないことが判明した。学習内容とその質に関する点で大きく異なることが見受けられた。 次年度は、一定数の国語科教師に対する「個別最適化」観に関する調査を行い、異なりの状況を把握することを予定している。また、特別支援学校における長期的な俳句創作実践を進めており、創作面の「個別最適化」について、創作の発想、発動などの面について一定の考察を実施することができた。これを読むことと関連させてさらに考究する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が調査研究であるため、コロナ禍の三密回避の状況では、実態調査を実施しにくかった。年度末の3月に入って公開授業研究会の参加が緩和され、一定の調査を行うことができたので、その分析結果を活かした対教師の調査を活発化させる予定である。 また特別支援学校における俳句創作実践の取組を「個別最適化」の視点から考察し、授業改善に資する成果を集約する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たり、国語科の読むことを中心とした「個別最適化」のあるべき姿について、理論的な構築を行い、授業改善に資する成果を集約する予定である。
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Causes of Carryover |
年度の前半は、コロナ禍のため、調査のための旅費がほとんど支出できなかったことで、旅費を中心に残額が生じた。 コロナ禍で滞っていた調査を本格化する(調査旅費3名×6回分)。具体的には、授業観察を通して、「国語科における個別最適化」の実践的原理(経験知的に得られている原理)を収集、分類、整理して、目的、方法、展開などの点から指導過程のどこに位置付けられているのかを明確にし、質的な評価を行い、良質の「個別最適化」の原理を抽出する(研究会旅費・会場貸借費3回分)。 このほか、調査(インタビュー)分析関係文献、個別最適化関係文献等の文献費が必要となる。
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Research Products
(5 results)