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2022 Fiscal Year Research-status Report

美術鑑賞学習におけるメタ認知支援のためのアプリケーション開発と検証

Research Project

Project/Area Number 22K02514
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

石崎 和宏  筑波大学, 芸術系, 教授 (80250869)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords美術教育 / 美術鑑賞 / メタ認知 / アプリケーション / デジタルツール
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、美術鑑賞学習における思考過程をメタ認知するように支援するアプリケーションを開発し、その効果と課題を実証的に考察するものである。具体的には、すでに開発した紙媒体の美術鑑賞のメタ認知支援ツールをタブレットで使用できるデジタルツールに発展させるためにSwiftUI等によるアプリケーション開発を行う。特に学習者が鑑賞での発話をディクテーション機能によって自動テキスト化し、そのデータを活用して鑑賞行為のモニタリングとコントロールを支援するシステム構築を目指している。
令和4年度は研究の第一段階であり、第一の課題として設定した、美術鑑賞における思考をメタ認知するための支援方略の理論的フレームの検討を進め、アプリケーション開発と実践につなげる基本的フレームの明確化に取り組んだ。特に鑑賞者が作品のどの要素(主題、表現性、造形要素、スタイル)に注目し、どのような鑑賞行為(連想、観察、感想、分析、解釈、判断)をするのか、という鑑賞スキルの視点(石崎・王, 2006)をメタ認知的知識として活用することで、鑑賞者のモニタリングとコントロールを促す支援方略を精緻化した。その成果の一部は、Visual Inquiry: Learning & Teaching Art、ならびに『美術鑑賞学習における思考の可視化と深化』(東信堂)において発表した。さらに、鑑賞スキルを活用したメタ認知の支援方略モデルと美術鑑賞での思考の深化を促す基礎的フレームを包括した仮説モデルを検討し、iOSディバイス用の鑑賞支援アプリを試作した。また、コロナ禍における日本の美術教育の動向について、デジタルツールを活かした大学での取り組みの事例を国際シンポジウム「2022臺灣跨域美感教育國際論壇」(台湾、招待、オンライン)において発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4年度の研究計画は、美術鑑賞における思考のメタ認知を促すための理論的フレームについて基礎的検討を行うことであり、メタ認知を支援するさまざまな方略に関わる文献調査を進め、美術鑑賞プロセスでの活用の可能性についての検討をおおむね計画的に遂行することができた。また、デジタルツールとしてiOSディバイス用の鑑賞支援アプリの試作では、これまでに蓄積してきた教育研究活動での予備的実践を活用して試作を進められている。それらの実践的な教材開発の一部については、大学での授業実践に取り入れて改善を進めるとともに、台湾での招待講演において研究者や教育実践者等を対象に積極的に公開し、幅広い交流に努めている。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は研究の第二段階であり、アプリケーション開発とタブレットやオンラインを活用した美術鑑賞学習でのメタ認知的支援の検証に向けて検討を進める。令和4年度の理論的フレームをふまえ、第二の課題としての、理論的フレームをタブレットで実現させるためのアプリケーションの開発を進める。具体的には、すでに開発した鑑賞教具としての「鑑賞支援ツール」の機能をデジタル化することでプロトタイプとし、それを改良して美術鑑賞における思考過程をメタ認知するデジタルツールを開発していく。プログラム言語のSwiftUI等を使いiOSディバイス用として試作した鑑賞支援アプリの改善をさらに進め、そのユーザビリティについてパイロット分析を進める。また、Microsoft TeamsやZoomを使ったオンライン環境におけるデジタルツールとしての利便性の検証についても進めていく。その実践的予備調査と事例分析は大学生を対象として行い、発話プロトコルのテキストデータをマイニング分析する。パイロット・スタディにおいて実践上の問題点を抽出し、その改善策を検討する。

Causes of Carryover

令和4年度に繰越額が生じたのは、アプリケーションの試作検証と教育実践用として購入予定であったタブレット5台について、初年度は研究の遂行上、試作検証用の1台のみの購入とした。それによって当初計上していた4台分の費用の支出がなくなったためである。教育実践用の4台については、令和5年度以降において購入する計画である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Visualizing and deepening thoughts through art appreciation2022

    • Author(s)
      Ishizaki Kazuhiro、Wang Wenchun
    • Journal Title

      Visual Inquiry

      Volume: 10(3) Pages: 371~383

    • DOI

      10.1386/vi_00062_1

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] コロナ禍における日本の美術教育の動向-大学での取り組みの事例-2022

    • Author(s)
      石崎和宏
    • Organizer
      臺灣跨域美感教育國際論壇
    • Invited
  • [Book] 美術鑑賞学習における思考の可視化と深化2022

    • Author(s)
      石崎和宏、王文純
    • Total Pages
      296
    • Publisher
      東信堂
    • ISBN
      978-4-7989-1817-4

URL: 

Published: 2023-12-25  

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