2023 Fiscal Year Research-status Report
Curriculum and Learning Environment for dealing with Difficult History
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22K02537
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
空 健太 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (30548285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 友輝 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (70630995)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 困難な歴史 / 学習環境 / 歴史教育 / 歴史総合 / アメリカ合衆国 / FHAO / 教室 / 教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「困難な歴史(Difficult Histories,Difficult Past)」を歴史の教室で効果的かつ安全に扱う方法を明らかにすることである。「効果的かつ安全に」とは、「困難な歴史」をどのように扱うことが歴史教育の改革につながるかを明らかにするとともに、教師が「困難な歴史」を歴史の教室で扱う際の学習環境のデザインや指導上の留意点を明らかにすることを意図している。第二年次は、「「困難な歴史」はどのように扱われているのか」を主たる問いとして、日米の学習環境のデザインの具体について文献や実地での調査を主として行った。実地調査については、日本と米国を対象に教師への聞き取り調査や教室での学習や学習環境の調査を行った。日本においては新課程の開始が始まって数年経過し、特に高等学校においては、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察、構想する科目として「歴史総合」が開始されるなど、教育課程が大きく変化する中で教室での学びの様子や教師への取組も大きく変化している。そこで、「歴史総合」の授業において現代的な諸課題がどのように取り扱われているかについて、教室での学習の観察や教師へのインタビューを6校の教師・学校の協力を得て実施した。また、米国においては非営利組織であるFacing History and Ourselves(FHAO)が学校に対してどのように関わっているかを視点にして、FHAOへの聞き取り調査や教師へのインタビュー、教室での学習の観察を複数の州で6校の教師・学校に対して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の第一年次の時点で、研究計画の順序を収集しており、第二年次は歴史の教室における学習環境の調査を行った。調査の運営上、教師による学習環境のデザインに焦点を当てており、諸外国のガイドラインの分析は十分に行うことができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
第二年次の調査の結果を分析し学会発表あるいは論文として整理するとともに、困難な歴史に関わる学習環境に関する諸外国のガイドラインやカリキュラムの収集・分析を継続して行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、R4(2022)年度に計画していた外国旅費や人件費・謝金を使用しておらず、また共同研究者とのミーティングや学会もオンライン参加で行ったため、移動や宿泊に係る費用が発生していないためである。特に金額の大きい外国旅費については、R4年度がコロナ禍で海外渡航を控えるべき状況であると判断し、元々の研究計画を年度当初時点で修正した。使用計画としては、R5(2023)年度だけでなく、海外渡航を予定していなかったR6(2024)年度にもフォローアップのための海外調査を行う可能性がある。
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Research Products
(1 results)