2023 Fiscal Year Research-status Report
教員養成におけるプロジェクト型学習でのオペラ制作の体系化
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22K02549
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
枝川 一也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20243529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野内 愛 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60710697)
伊藤 真 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70455046)
小長野 隆太 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (60452603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オペラ制作 / プロジェクト型学習 / 課題解決型学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,プロジェクト型学習としてのオペラ制作について,4月と11月に定期的な公演を実施し,学習者への継続的なアンケート調査を行った。4月はモーツァルト作曲「フィガロの結婚」,11月はJ.シュトラウス2世作曲「こうもり」を題材とし,指導者によるファシリテートのあり方を検討した。特に11月の公演に関連して,複数のアウトリーチ公演を計画・実施し,指導者の方向づけのあり方の1つとして,アウトリーチ公演による効果を検証した。その結果,アウトリーチ公演への企画・準備・公演を実施することにより,学習者の学びの拡大として,教育者としての視点,オペラ制作のリーダーとしての視点を獲得していることが明らかとなった。 しかしながら,アウトリーチ公演に参加した学習者は,オペラ制作のメンバーのうちの10名程度,また,何度もオペラ制作を経験した,いわば熟練した学習者であったことから,今後経験の浅い学習者ではどのような効果が得られるのかという課題が残った。 また,アウトリーチ公演のあり方という視点から,令和4年度末に実施したイタリアでのアウトリーチオペラ公演の視察を行ったため,その実施形態や実施方法を分析し,今後の研究の方向性を検討した。オペラの聴衆をオペラの世界に誘う方法として,聴衆参加型の公演を体験することができ,これをプロジェクト型学習としてのオペラ制作にどのように活かすことができるかを考えた。オペラ制作は,自分たちの活動そのものが目的であることはもちろんだが,聴衆へのパフォーマンスを考えることも大変重要な視点である。こうしたアイデアを指導者は学習者にどのようなタイミングで与え,学習者らの思考を揺さぶるのかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想以上に業務が多忙化し,予定していた他大学への視察を実施することができなかった。 継続的なオペラ制作と,学習者へのアンケート調査は実施しているため,今後,その分析に加え,他大学への視察を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,これまで継続的に実施してきたオペラ制作の学習者へのアンケートをまとめて分析することに加え,これまで実施できなかった他大学への視察を実施し,複数の教育機関でのオペラ制作の実態を捉えた上で,その教育的効果を探り,プロジェクト型学習としてのオペラ制作を体系化していく。
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Causes of Carryover |
令和5年度は,業務が多忙化したことに伴い,他大学へのオペラ制作の視察を実施することができなかったため,次年度使用額が生じている。 令和6年度には,海外も視野に入れながら,教育機関におけるオペラ制作の視察を積極的に実施していく予定である。
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