2022 Fiscal Year Research-status Report
図工科における時間的変化を考慮した児童の絵画の評価方法の開発
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22K02594
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
萩生田 伸子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (70292638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 基弘 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40241913)
有原 穂波 目白大学, 人間学部, 専任講師 (50855442)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 評価 / 図画工作科 / 指導案 |
Outline of Annual Research Achievements |
図工科における評価の観点や具体的な方法について整理をするためにテキストマイニングによる指導案の分析をおこなった.はじめに学部生36名が作成した指導案について整理をしたところ評価規準の「知識・技能」の欄では「表す,工夫,材料,自分」などの語が多用されていた.同様に「思考力・判断力・表現力」の欄では「自分,表現,考える,表す」が,「主体的に学習に取り組む態度」の欄では「作品,自分,表現,取り組む」が,本時の展開中の「評価と手立て」の欄では「自分,表現,工夫,イメージ」の各語が出現頻度の上位であった.全体としては,評価語である「良い」は作品の評価には用いられないこと,本時の展開中の「評価と手立て」の以外の項では学習指導要領もしくは学習指導要領解説の文言に近い記述が多くみられ,題材に応じた評価の視点が記載されているとは限らないことが明らかとなった(萩生田・有原,印刷中). 次に,小学校教諭3名が作成したのべ8件の指導案についても同様に分析をおこなった.件数が少ないこと,および指導案の形式に若干の相違があることから全体を直接比較することはできないが共通記載内容に着目すると,同一人物の作成した指導案が複数含まれているにもかかわらず,指導案1件あたりの使用語数や異なり語数は学部生の指導案よりも多い傾向がみられた.使用頻度の高い語としては,評価規準の知識・技能の欄では「表す,色,感覚,形」などがあり,具体的な画材等に関する言及は学部生よりも相対的に多くみられた.同様に思考力・判断力・表現力の欄では「自分,色,形,基」などの語が多用されていた.主体的に学習に取り組む態度の欄では「活動,喜び,味わう,取り組む」が使用頻度の上位であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価の観点の絞り込みのために先に指導案の分析をおこない,調査票を完成させる予定であったが,今回の分析対象とした指導案からは題材に対応したオリジナルの評価項目はほぼ抽出できなかったため,別の方法も併用して調査項目の収集をおこなう必要がでてきた. 共同研究メンバーの産休取得のため.
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Strategy for Future Research Activity |
教諭の作成した指導案についてはさらに収集をおこなった上で,学部生の指導案と比較・再分析をして論文化する予定である.現在,評価の軸として表現や作品のユニークさに着目し,それらを表現する語の収集をおこなっており,これらを整理した上で作品評価用の調査項目を作成する.同一児童の描画を付き合わせる作業を引き続き進める.
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Causes of Carryover |
ソフトウェアのバージョンアップを2023年度もしくは2024年度中におこなう必要があるが,値上げにより次年度以降の配分額では不足が見込まれるため.共同研究者産休取得のため.
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