2022 Fiscal Year Research-status Report
算数科教育における「振り返りの共有」による数学的に考える資質・能力の育成
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22K02604
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
清水 紀宏 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50284451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 篤史 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20273823)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 算数科 / 振り返り / 数学的に考える資質・能力 / 共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、算数科で求められている「数学的に考える資質・能力」を育むための「振り返りの共有」の在り方とその有効性について明らかにすることである。また、 本研究課題の核心をなす学術的「問い」は「算数科の授業で「振り返りの共有」をいかにして実現させるか」「「振り返りの共有」は、子供の数学的に考える資質・能力の育成にどのような寄与をするか」というものである。 令和4年度は、算数科における「振り返りの共有」に関する基礎的研究として、振り返り活動とその共有の活動を位置づけた第5学年の「小数の乗法,除法」及び「単位当たり量の大きさ」の単元の授業を実施し、振り返り活動の様相について検討した。その結果、授業の動画、子供のワークシート、授業における振り返りの記述、ならびに、他の子供との共有から学んだこと、などのデータが収集された。こうしたデータを分析した結果、子供達は種々の有益な振り返り活動を行っている、という傾向がみられた。 また、授業を受けた子供に対して、「単位量当たりの大きさ」の理解に関する調査と、振り返り活動に関する質問紙調査を実施した。その結果、例えば、子供達は、振り返り活動に関して肯定的な印象をもっていることや、算数科の学習での振り返り活動と他教科の学習での振り返り活動との間に、異なった印象をもっている、といった傾向を見出すことができた。 さらには、振り返り活動に関する先行研究を概観し、振り返り活動の有効性の検証方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「小数の乗法,除法」及び「単位量当たりの大きさ」に関する振り返り活動とその共有について、詳細なデータを得ることができたと共に、質問紙調査から、子供達が振り返り活動について肯定的に捉えているといった結果が得られた。また、振り返り活動の有効性の検証に関して先行研究などを基に研究分担者と協議を進めるとともに、次年度の授業研究の計画も立案されている。 以上のことから、次年度以降も研究を順調に継続できる見通しであり、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に得られたデータを詳細に分析するとともに、振り返り活動とその共有を位置づけた第5学年の他の単元(「割合」など)、第6学年の単元(「対称な図形」「場合の数」「比」など)の授業研究を実施し、振り返り活動の様相や数学的に考える資質・能力の育成への影響について検討する。 なお、その際、「数と計算」領域と「図形」領域といった異なる領域に応じた「振り返り活動の方法」について、詳細に検討していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、予定していた情報収集が実施できなかったり、物品の納入が遅れたりしたことが挙げられる。 次年度は、令和4年度に実施できなかった授業実践の観察などの情報収集を実施する計画である。
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