2023 Fiscal Year Research-status Report
正しい包丁操作を習得させるためにはファーストコンタクト以前をいかにすべきか
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22K02609
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
秋山 久美子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (80155291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 健太郎 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (90359662)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 包丁操作 / 縦型ピーラー / 技術習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
包丁を上手に使えるという自信は、料理や食事への関心を高め、生涯にわたるQOLの向上につながると考える。包丁が上手に使えない人は持ち方、動かし方に独特な癖があることが多く、その癖はついてしまうとなかなか修正することが難しい。 本研究は包丁を初めて持つ前の段階で、縦型ピーラーで安全な持ち方、動かし方を練習することが、包丁に移行したときに役立つのではないかと考え、包丁の持ち方に近い縦型ピーラーを用いて、より効果的に使い方を教示する方法を見出すとともに、縦型ピーラーなどの代替機器を使用することによる影響を知ることを目的として行っている。 これまで包丁操作について、その持ち方や手指の動かし方を研究してきた。その結果、包丁操作が巧な人は、その持ち方、動かし方に共通点があり比較的、画一された動きをしている。それに対して稚拙な人の持ち方、動かし方は様々であった。そのような人に正しい持ち方、動かし方を伝授しても、癖がなおらず、無理に矯正することでさらに技術が低下することが明らかになった。このことから、癖がついていない初期段階で正しい持ち方、手指の動かし方を教授することが大切だと考えた。 本年度は、前年度に選定した包丁と近い状態で皮がむける縦型ピーラーと、使い勝手の悪いと判断された縦型ピーラー、包丁、ペティナイフで、リンゴの丸剥きを実施し、モーションキャプチャー、ビデオ撮影、筋電計による測定、手指の圧力の測定というバイオメカニクス的測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
包丁の代替器具として縦型ピーラーを選択し、その効果を見るためにスクリーニング調査を実施した。包丁のみで丸剥きを練習したグループと、縦型ピーラーを練習に用いたグループに分け、その効果を判定したところ、もとから包丁技術のある被検者にその効果は見られないが、包丁操作が稚拙である被検者には、縦型ピーラーによる練習が効果的であることが分かった。コロナの影響がまだ残っていたため、小学生等への教育は行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、家庭科の授業を受けていない小学生を対象として、縦型ピーラーによる手指の動きを教授し、そのあとに包丁を正しい動きで使うことができるのかについて、リンゴの丸剥きを実施しているときの手指の動きをビデオに録り、その解析を行うことで検討していきたい。併せて、包丁を使うときの心理(恐怖心など)についてもアンケート調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
当該年度当初がコロナの影響で、大々的なスクリーニング調査ができなかった。次年度は、最終年度として、小学生から被検者を募り、縦型ピーラーによる教育の効果を具体的に調査していく予定である。
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