2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of multilingual music materials for immigrant children with Japanese language acquisition support: A German–American comparative study
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22K02612
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
宮本 賢二朗 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (80619544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 淑子 滋賀大学, 教育学部, 名誉教授 (30172828)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多文化・異文化間音楽教育 / 外国人幼児・児童 / 日本語習得支援 / ドイツ異文化間音楽教育 / 移民と多文化社会 / 難民と音楽 / 音楽とアイデンティティ / 外国人の子どもの統合・適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き外国人の子どもの歌について,ブラジル,フィリピン,ベトナム,中国の子どもの歌を^選定し,二言語化を進めた。
8月,湖西市国際交流協会で,自分たちの街への思いを,外国人児童の母国の言葉を交えた歌詞により歌う,「テーマソングづくり」の活動を行い,11月に地域のイベントで発表した。この活動では,日本語を共通言語として使用しつつも,母国語を活用する,二言語話者としての能力を,自らが肯定的に捉えられる活動であることが観察から確認できた。9月,ドイツのオスナブリュック市を尋ね,Barth教授と研究の動向について意見交換した。統計的手法によらない観察分析的な研究法について情報を得た。また移民・難民のために,音楽による言語・統合支援の教員研修を行っている機関である,Musik,Sprache,Teilhabe(MuSt)の研究会に参加し日本での活動について発表した。同市内にある基礎学校を訪ね,音楽活動による言語習得の授業を参観した。10,磐田多文化交流協会でドイツの教材を応用し,歌による日本語習得のための教材と,ブラジルの童謡をポルトガル語と日本語の二言語で歌う活動の実践を行った。3月,MuSTの非言語的なリズムによる挨拶運動,外国人の子どものうたを二言語で歌い遊ぶ活動,歌による日本語習得支援,それぞれの実践活動について,指導法をデモンストレーションするワークショップを滋賀県甲賀市で行った。大学研究者,小学校教員,支援員,国際交流団体職員などが参加し教材の有効性が確認された。
理論的な研究については,音楽による日本語習得支援について,曲集による系統的な学習と(Kerkmann 2017,系統学習型),簡単な活動を適宜言語習得活動に用いる活動(MuST:モジュール型)との2つがあることを確認出た。現在アメリカとヨーロッパの「音楽と移民」に関する研究の動向を比較する段階に入りつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 外国人の子どもの歌については,想定している国について複数の歌の二言語化が進み,実践活動も重ねてい来た。音楽・歌による日本語習得支援についても,ドイツの教材から最初の曲を日本語化し実践することができた。海外との連携についても,ドイツの研究者,実践者と安定してコンタクトが取れ,最新の動向を知る環境が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)適応・統合・相互理解の視点からは,歌を二言語(複数の国籍であれば多言語で)共に歌う活動を,学校教育での実践を想定して,子どもの歌を二言語で歌う活動を学校環境,もしくは学校教育に近い環境,つまり日本人の子どもも参加している状況で行う実践を試みる。 2)日本語習得支援については,ドイツの教材の日本語化を進め,試験プロジェクト的な実践を試みる。 3)アメリカとヨーロッパの「音楽と移民」に関する研究の動向を比較し,日本にも適した理論的な基盤の枠組みを検討する。
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Causes of Carryover |
理由:・日本語習得について特化した実践を一定期間行うための実施環境が整わず,人件費・交通日が未使用となった。・ドイツでの現地取材について,研究分担者が諸事情により同行できなかったため,渡航費・滞在費等が未使用となった。
使用計画:・日本語習得について,試験プロジェクトを企画し一定回数を実施する。・特に音楽による日本語習得の状況についてドイツで視察を行う。
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