2023 Fiscal Year Research-status Report
地域活性化に向けた観光まちづくりを考える地理を核としたESD授業の開発
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22K02616
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
永田 成文 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40378279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金野 誠志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50706976)
深見 聡 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (20510655)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ESD / 地域活性化 / 観光まちづくり / 地理教育 / 総合的な探究の時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は地域の観光資源を捉え,それを他地域にアピールしていく地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践した。重点校として位置づけている鹿児島県立徳之島高等学校では,地理授業と総合的な探究の時間を連携させて,観光資源について調査し,発表し合うことで生徒の地域への関心や地域理解を深めることができた。課題として地域の中で連携が不足していたことや調べて表現する活動でとどまっていたことがあげられる。 2023年度は地域活性化をめざして観光資源を活用を提案する地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践した。重点校として位置づけている鹿児島県立徳之島高等学校では,総合的な探究の時間においてテーマを決めてグループをつくり,グループごとに協力して継続的に探究した。特に観光資源と関わる3グループでは,地域との連携や地域への発信を意識して探究した。協力校である三重県立尾鷲高等学校と広島修道大学ひろしま協創高等学校においてもほぼ同様のテーマで探究し,2024年2月の3校合同の遠隔会議では,探究したことを伝え合うことができた。2022年度と同様に生徒の地域への関心や地域理解を深めることができたが,ESDの究極目標である地域のまちづくりの参画意識を十分に高めることができなかった。 2023年度は,研究代表者として観光資源と関わる3グループに継続的に関わることができた。また,研究分担者の世界遺産の活用についての特設授業を実施することができた。 2年間の成果をもとに,持続可能性の概念に基づいた小中高一貫地理教育カリキュラムの構想や観光資源を通して地域の課題を考えるESD授業プログラムやESDとしての地誌学習について,地理教育の学会のシンポジウムや自由研究において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は地域の観光資源を捉え,それを他地域にアピールしていく地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムの開発・実践を行った。これを踏まえて,2023年度は地域活性化をめざして観光資源を活用を提案する地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践することができた。 重点校と協力校と密に連絡をとり,研究の趣旨を共有することで研究体制がさらに整った。このため3校でほぼ同じテーマで探究したことを遠隔会議において伝え合うことができた。3校では観光まちづくりについて伝え合うことで学びが深まり,連携授業の有効性を確認することができた。また,高大連携として探究のあり方について必要な場面で研究代表者が適宜アドバイスを行い,内容について必要な場面で研究分担者の特設授業を実施することができた。 2年間のESD授業プログラムの開発・実践について,その成果の一部を学会のシンポジウムなどで発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の地域の観光資源を捉え,それを他地域にアピールしていく地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムの開発・実践,2023年度の地域活性化をめざして観光資源を活用を提案する地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発・実践を踏まえて,2024年度は持続可能性の概念から探究活動を振り返り,さらに探究を深める。このことにより3年間で継続したESD授業プログラムを完成させる。 具体的には,これまでの探究してきた内容や地域活性化をめざした持続可能な地域づくりとしての観光まちづくりの提案について,本当に地域活性化につながるのか,持続可能な地域づくりにつながるのかについて吟味させる。重点校の鹿児島県立徳之島高等学校では,持続可能性や地域への参画を意識させて,探究した内容をグループでレポート等にまとめ,提案について吟味する。持続可能性の概念を意識した探究活動について3校合同の遠隔会議を行う。この3年間を通したESD授業プログラム成果に着目する。これまでに学会で発表したことについて論文としてまとめるとともに,総合的な探究の時間を主軸においた学会発表や外国での学会発表も行っていく。
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Causes of Carryover |
2024年度に国際学会において発表するための外国出張経費を確保するために予算を次年度に繰り越している。
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