2022 Fiscal Year Research-status Report
システム的思考に基づくSTEAM指向の内容横断的モデルカリキュラムの構成
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22K02620
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
上之園 哲也 弘前大学, 教育学部, 教授 (20735120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 久志 大分大学, 教育学部, 准教授 (00724204)
勝川 健三 弘前大学, 教育学部, 教授 (30735098)
勝本 敦洋 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30780621)
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 技術科教育 / システム的思考 / 内容横断的カリキュラム / STEAM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)において生徒がシステム的な思考を働かせて問題解決に迫り得るSTEAM指向の内容横断的な設計製作学習のモデルカリキュラムを開発,検討することである。 実施計画では,2022年度から2023年度にかけて生物育成の技術と材料加工の技術の2つの学習内容のそれぞれを核とした内容横断的学習題材を開発することであった。 そこで,2022年度はこれまで研究代表者と研究協力校の技術科教員と共に開発を進めたきた,学習内容「情報の技術」の指導事項「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」を核とした内容横断的な題材「オリジナル植物工場の開発」のカリキュラムを改編したものをベースに,研究協力校のICT環境に則してBluetooth対応のマイコンを導入し,露地栽培をもとにした題材の開発を試みた。また,STEAMに準じたカリキュラムを構成する上で技術科と他教科との間で起こり得る学習転移の実態について,中学生を対象とした調査を実施した。その結果,中学生は技術科「エネルギー変換の技術」と「理科第1分野」との相互間で最も学習の影響があると認識している実態が明らかとなった。次いで「理科第2分野」の内容が技術科の「生物育成の技術の学習」に影響していると認識していた。その一方で,「情報の技術」は理科との間での学習転移については,中学生はほとんど認識していないことが明らかとなり,STEAMに準じたカリキュラム構成のための重要な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
題材開発の研究協力校にBluetooth対応のマイコンを導入したものの,実践授業内で動作不良が続いたため授業時数が予定より多く必要となったことに加えて,コロナ対策等で予定していたカリキュラムが消化できなかった。そのためカリキュラム構築のための題材に関する新たな知見を得ることできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
「生物育成の技術」を核とし,「情報の技術」を媒介とする4内容横断型学習題材に適したデバイスを選定し直すとともに,それらを用いたカリキュラムを検討する。併せて,3年間のカリキュラムの構成を大きく見直すこととする。具体的には,1年次に各学習内容の事項(1)及び事項(2)アを集約し,2年次に「情報の技術」の(3)イ及び他の3学習内容の事項(2)イを集約したシステム的思考に基づく内容横断型学習題材を設定する。3年次はその題材による学習の成果をまとめる観点から,「情報の技術」の事項(2)及び(4),他の3学習内容の事項(3)を集約する構成とする。 また,STEAMの要素を取り入れるため,技術科の学習内容と他教科,特に理科のカリキュラムに着目し,技術科で扱う理科と関連する内容の適時性を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染対策によって,実地研究と対面による研究協議ができず,また,学会も全てオンラインとなったため旅費の支出が無かった。 次年度は前年度実現できなかった題材開発の課題に充当するとともに,感染症の再拡大等による規制の可能性も踏まえて,セキュリティを重視したWeb調査システムの構築や関連機器の導入等に充当する。
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