2022 Fiscal Year Research-status Report
問題解決能力を育むための生体情報を利用した技術科の設計学習モデルの開発
Project/Area Number |
22K02629
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
守田 弘道 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (30882807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岳野 公人 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70313632)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 問題解決能力 / 生体情報 / 技術科 / 設計学習 / 思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中学生の問題解決能力を育成するために中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)の設計学習における思考過程を脳波による生体情報から分析・解明し,新たな設計学習モデルを開発することである。 平成29年告示の中学校学習指導要領解説技術・家庭科編においては,中学生にものづくりを通して技術科における資質・能力を身に付けさせ,問題発見・解決能力(以下,問題解決能力)を育むことが重視された。技術科の設計学習においては,思考力・判断力・表現力等の資質・能力を身に付ける重要な学習場面として,思考過程の研究が進められている。しかし,先行研究では,質問紙やスケッチ,面接法などによる学習者の設計学習行為の思考過程の調査や検証が主体であり,設計・製作活動中の中学生の思考・心理状態を健全に育成する学習かどうかは明らかになっていない。本研究の目的が達成できたならば,問題解決能力を技術科で育成することを客観的に説明することができる。また,個に応じたより効果的な問題解決能力の育成も期待できる。 そこで,本研究の目的を達成するために「研究1:脳波を利用した技術科の概念設計における思考過程の解明」と,「研究2:問題解決能力育成を目指した技術科の概念設計における学習モデルの開発」を行う。 令和4年度(2022年度)は,研究1遂行のため,概念設計における思考過程の意識調査票を作成に向けた研究打合せができた。また,生体情報を利用した思考状態解明に関する研究動向について発表できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度(2022年度)は,研究計画よりやや遅れた。理由は,「研究1:脳波を利用した技術科の概念設計における思考過程の解明」に向けた研究打ち合わせや生体情報を利用した思考状態解明に関する研究動向について発表ができたものの,調査票作成や中学生の意識構造解明にまで至らなかったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度(2023年度)は,概念設計における思考過程の意識調査票を作成し,中学生を対象に調査を実施する。調査より得られたデータをもとに統計学的手法で意識構造を解明する。また,令和4年度(2022年度)の発表で得られた知見も参考にしながら,生体情報を利用して,技術科の概念設計における思考過程を「状態」で解明する。研究成果は,学会等で発表するとともに,これまでの発表も含めて論文としていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,学会等の発表をオンライン参加で行ったためと,生体情報を測定するための機器等(脳波測定器,端末,分析中のビデオ記録するための機器等)を検討していたため等である。 使用計画としては,本研究を計画的に遂行し,国内外の学会等の発表及び論文作成・投稿において執行する。また,生体情報を測定するための機器等を購入し,技術科の概念設計における思考過程を「状態」で解明することに使用する。
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Research Products
(7 results)