2022 Fiscal Year Research-status Report
地域循環共生圏に向けた森林の炭素蓄積を軸とする森林環境教育の授業モデルの開発
Project/Area Number |
22K02631
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平山 大輔 三重大学, 教育学部, 教授 (00448755)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 森林教育 / 小学校 / 教材開発 / 二酸化炭素固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの森林教育の成果と三重県内で構築されつつある仕組みを活用し、広く小学校で継続的に実施可能で、かつ児童が主体的に探求できる、地域循環共生圏の構築に向けた森林教育の授業モデルを開発することを目的としている。 2022年度は、まず、森林の炭素蓄積機能・森林資源の循環利用について、小学校の各教科(理科・社会科など)で関連のある学習項目を抽出した。次に、抽出した学習項目と対応するように、森林の炭素蓄積機能・森林資源の循環利用との関連を明確にした授業展開例の作成と教材開発を行った。具体的には、小学校6年理科「自然とともに生きる」、5年社会科「私たちの生活と森林」の内容と関連付けて、校庭の樹木の二酸化炭素固定量を推定し、日常生活からの二酸化炭素排出量との比較を通して、森林の二酸化炭素吸収や木材の長期的な利用の重要性等を学ぶ内容とした。また、考案した内容について、当初予定では次年度以降に実践する計画であったが、三重県教育委員会およびみえ森づくりサポートセンターと連携して三重県総合博物館で開催した教職員対象の森林環境教育研修「身近な自然と環境教育 ―学校の木から学べるSDGs―」の中で、試行的に実施した。次年度、教員研修だけでなく小学校現場での実践も行うために、松阪市内の小学校教員と検討を行い授業計画を作成した。 これらのことから、初年度の計画は実現できており、次年度の授業実践等に向けた準備ができていると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
森林の炭素蓄積機能・森林資源の循環利用との関連を明確にした授業展開例を作成することができ、試行的にではあるが、教員研修において実践することができた。次年度の小学校現場における実践に向けて県内小学校との打合せも順調に進めることができているため、おおむね順調に進展していると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、前年度に引き続き、森林の炭素蓄積機能・森林資源の循環利用について、小学校の各教科(理科・社会科など)で関連のある学習項目を抽出して授業展開例の作成と教材開発を行う。また、前年度に作成した授業展開例とともに、小学校現場で実践し、児童・教員へのアンケート調査によりその効果を検証して、教育現場に導入する上での課題を探る。教員研修においても実践を行い、学校での実践結果と合わせて効果を検証し、改善を図る。 さらに、先進的な環境教育の取組みを実施している自治体や学校の視察を行う。
|