• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

アジアのグローバル化と芸術教育による独自文化形成の調査研究

Research Project

Project/Area Number 22K02635
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

福田 隆眞  山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐々木 宰  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261375)
石井 由理  山口大学, 教育学部, 教授 (70304467)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsアジア / 芸術教育 / 独自文化 / 美術 / 音楽 / 多民族社会
Outline of Annual Research Achievements

本研究は21世紀の現在、アジアにおいてもグローバル化が進み、文化のグローバル化に並行して、独自文化の追究がなされている。特に多民族社会を基盤とした国家では独自文化の形成に教育が関与している。こうした状況に基づき、本研究では東南アジアと東アジアの芸術教育の調査によって独自文化の形成を如何に進めているかを考察するものである。本年度は研究期間の1年目である。アジアにおける芸術教育の教育課程、教育内容、実態について調査を進めている。本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地での実態調査を行うことができない状況であったので、文献と機器を利用した聞き取り調査を行った。対象地域はインドネシア、シンガポールである。さらに、台湾、韓国、マレーシアの資料収集と整理を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、調査対象地域への直接の訪問が出来なかったので、文献、聞き取りによって調査を進めた。研究代表者の福田はインドネシアを対象に中等教育の美術分野の調査研究を進めた。教科書を中心に教材と「四層構造」との関連、及び育成されるコンピテンシーの関連を考察した。また、福田は研究分担者の石井とともに前期中等教育の音楽と美術の教育とコンピテンシーとの関連を教科書に基づいて調査し、それらが国民文化の形成にどのように関わっているかを考察した。研究分担者の佐々木は、シンガポールを対象にして、中国、マレー、インドの文化の教材化を通して民族的なアイデンティティー形成が進めれてきたことを踏まえて、民族を超えた国民的なアイデンティティーが模索されていることに着目し、アイデンティティー形成と創造性を結び付けたシンガポールの美術教育について考察した。さらに石井は音楽教育の分野において、シンガポールとインドネシアに着目して、近代化と国民文化形成における音楽教育の役割を考察した。

Strategy for Future Research Activity

今後は新型コロナウイルス感染症の影響に注視し、調査対象国を訪問して実態調査と聞き取り調査を進める。調査対象としては、インドネシア、シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、ベトナムを計画している。調査の観点は、多民族社会と国民文化の関係の様態、美術教育音楽教育における教材の構造、グローバル化と伝統文化の関係、とする。
インドネシアにおいてはすでに研究を進めている「近代の美術における四層構造」の調査を掘り下げて、伝統美術と西洋美術の関係の様態と自国文化形成との関係を調査する。音楽教育についても聞き取り調査によって教材の構造を明らかにする。シンガポールにおいてはグローバル化による国民文化の形成について調査する。
マレーシアにおいては、まず、近代の美術における四層構造を明らかにし、マレー文化、インド文化、中国文化さらにはブミプトラによる文化の影響について実態調査、聞き取り調査を行う。
台湾においては近代の美術の四層構造を明らかにし、台湾独自のローカルカラーの現状について調査を行う。韓国においては近代の美術の四層構造についての研究を進めてきたので、美術教育と国民文化形成、グローバル化による伝統文化の取り扱い等について実態調査を進める。ベトナムについては教科書等を中心に四層構造と自国文化形成の調査を進め、その後実態調査を行う。

Causes of Carryover

令和4年度においては新型コロナウイルス感染症の影響によって、実態調査が出来なかった。次年度、海外調査の旅費に執行予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2023 2022

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] インドネシアにおける中学校美術教育と独自文化形成について2023

    • Author(s)
      福田隆眞
    • Journal Title

      美術教育学研究

      Volume: 55号 Pages: 254-262

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 近代化と国民文化形成における音楽教育の役割2023

    • Author(s)
      石井由理
    • Journal Title

      山口大学教育学部研究論叢

      Volume: 72巻 Pages: 95-105

  • [Journal Article] シンガポールの美術教育におけるアイデンティティ形成と創造性:21世紀の国民文化の創出と社会的創造性2023

    • Author(s)
      佐々木宰
    • Journal Title

      美術教育学研究

      Volume: 55巻 Pages: 145-152

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アジアの美術教育における創造性育成の可能性2023

    • Author(s)
      佐々木宰
    • Journal Title

      北海道教育大学紀要(基礎研究編)

      Volume: 73巻1・2号 Pages: 181-196

  • [Journal Article] インドネシアにおける芸術教育と文化形成について-前期中等教育を中心として-2022

    • Author(s)
      福田隆眞、 石井由理
    • Journal Title

      山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要

      Volume: 55号 Pages: 77-86

  • [Presentation] “Reconstructing modern national identity in music: Case studies of Korea and Taiwan”.2022

    • Author(s)
      Yuri Ishii
    • Organizer
      The 35th World Conference of the International Society for Music Education.
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi