2022 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用した「身近な地域の大地の成り立ち」を理解する授業プログラムの開発
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22K02657
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
栗原 行人 三重大学, 教育学部, 教授 (10446578)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地学教育 / 野外観察 / 地質図ナビ / ジオサイト / 理科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
現行の中学校理科学習指導要領では地層や岩石の学習を行うことが定められており,野外観察が推奨されているが,実際には様々な制約があるため野外観察はあまり実施されていない。本研究ではICT機器を活用することにより,生徒が主体的に擬似的な野外観察を行う授業プログラムを作成することを目的とする。 2022年度の研究計画は,三重県の伊勢和沿岸域において野外観察映像資料と岩石・化石資料の映像資料を作成し,これらを組み合わせた「バーチャル野外観察動画」を作成することであった。 2022年度の実績としては,三重県中部4ヶ所および南部1ヶ所のジオサイト(地質学的名所)を紹介する動画撮影を行った。撮影した動画を編集し,字幕などで説明する作業は一部が完成し,そのほかは現在進行中である。ウェブサイト「地質図ナビ」の中学校理科での活用検討を想定して,大学生に郷土の地形と地質の教材作成をさせた.作成例を示して簡単な説明をした後に,各自で教材作成をさせたところ,ほとんどの学生が「地質図ナビ」の使い方を理解し,郷土の地形と地質の教材を作成することができた。このことから,適切な例と手順を示せば,中学校および高校の教員が特別なサポートなしでも「地質図Navi」を活用することによって,郷土の地形と地質の教材作成ができるという手応えを得た。また,動画で紹介する三重県内のジオサイトについての文献研究を進めたところ,一部については天然記念物指定の経緯などが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では2022年度には10本以上の動画撮影を行う予定であったが,業務多忙のため,撮影した野外観察動画の数は5本にとどまり,完成したものは一部のみである。
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Strategy for Future Research Activity |
野外観察動画の撮影と編集を引き続き行う。動画撮影地の下見は終えているので,2023年度にはより多くの動画作成が可能になる見込みである。そのうえで,それらの動画を生かした郷土の地層や岩石を理解する授業プログラムを作成し,近隣の中学校などと連携して,授業プログラムの試行を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度計画では遠隔地での動画撮影のための出張旅費と学生アルバイトの謝金を計上していたが,多忙によりこれらが実施できなかった。2023年度では遠隔地での動画撮影を実施する予定である。
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