2022 Fiscal Year Research-status Report
社会科の目的と接続するプログラミング的活動の創造と教員研修プログラム開発
Project/Area Number |
22K02663
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小田 泰司 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (60452702)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小学校教育 / 社会科学習 / プログラミング教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コンピュータ・ソフトウェアを用いずに,プログラミング的思考を育成する社会科指導の構想を目ざしている。社会科はコンピュータ・ソフトウェアを必ず使わねばならない教科ではない。社会科がめざす目的に直接的に寄与しないプログラミング的活動を授業に取り込んでも,社会科で取り組む必然性がない「ただの作業」にしかならない。そのため社会科で育成すべき市民(「かしこい消費者」「災害時に自立的に行動できる避難者」「思慮深く情報を活用する市民」「活動的な主権者」など)の育成に必要かどうかから,実践の可能性を検討する。 2022年度は,小学3年生を対象に,社会科の目的と接続するプログラミング的思考の育成について検討した。金銭的負担と習熟に時間がかかることをデメリットととらえて,PCとソフトを使わないことを前提としているため,対象を観察したり,イメージしたりして,チャート図を活用して表現する。単元「わたしたちのくらしとスーパーマーケット」で,児童は販売者の仕事を学びつつ,消費者としての自己の姿と期待される「かしこい消費者」像を理解できるようにした。児童に買い物をする際に取る自らの行動を想起して,「商品を探す」「商品を選ぶ」「商品をかごに入れる」「商品をかごに戻す」といった動きを「順次」「反復」「分岐」といった基本的な動きを表現させた。表現は学外でプログラミング教育を受けている児童もいたことが活動に少なからず影響していたが,成果としては満足している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は附属校教員との小学校社会科でのプログラミング教育への共通認識の確立,小学3年生への実践を予定していたため,次年度に向けての研究の土台作りは果たしたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,小学4,5,6年生に該当する内容を基に,プログラミング教育を構想する。最終年には,研修プログラムを作成できるようにしていく。
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Causes of Carryover |
大学内業務との兼ね合いで,出張が予定通り行えなかったため,次年度に繰り越して使用することになった。
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