2023 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭の多職種連携教育モデルの構築:若手養護教諭の困難に基づくルーブリック開発
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22K02689
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
宇佐美 尋子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 准教授 (30581962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯原 裕子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (50882213)
横井 葉子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 准教授 (10743255)
小林 芳枝 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (40759396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 多職種連携 / スクールソーシャルワーカー / スクールカウンセラー / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、昨年度に明確になった「若手養護教諭の多職種連携における課題」を踏まえて、「多職種連携において必要な力(コンピテンシー)を明確化し、測定尺度の開発を行うこと」が研究課題であった。そのために、2023年1月~2月に入職5年以内の関東圏の若手養護教諭8名、スクールソーシャルワーカー5名及びスクールカウンセラー5名に実施したインタビュー調査のデータの分析を行った。 その結果、若手養護教諭の自覚している多職種連携における課題として、「情報共有を促進するために個人や組織に働きかけること(情報共有のために主体的に働きかける力等の不足)、「養護教諭の専門職としての自律性を発揮すること(他職種の専門性の理解等の不足)」「連携体制の整備と専門職をコーディネートすること(管理職の考え方に対処する力等の不足)が抽出された。また、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーが捉える若手養護教諭の多職種連携における課題として、「一人職の孤立のしやすさ成長しづらさ(一人職であるがゆえの専門性の発揮不足)」や「メンタルヘルスマネジメント(メンタルヘルスマネジメント力の不足)」などが抽出され、これらの研究成果を『聖徳大学研究紀要34』に発表した。 さらに、これらの課題に対応する「多職種連携において必要な力(コンピテンシー)」として、「コーディネート力(俯瞰的な立場での調整力)」、「コミュニケーション力(コミュニケーションスキル、対話的な発信力など)」、「専門的な対応力(アセスメント力、専門性を発揮した主体的な対応力など)」などが抽出され、この研究成果を『第31回日本養護教諭教育学会』において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多職種連携において必要な力(コンピテンシー)を明確化することはできたが、そのコンピテンシーの尺度の作成及び研究倫理申請の手続き等の調査準備に時間を要したことから、測定尺度の開発につなげることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、若手養護教諭の多職種連携コンピテンシーをもとに、測定尺度の開発と養護教諭の多職種連携教育プログラムの策定をすることを研究課題とする。若手養護教諭の多職種連携コンピテンシー尺度の暫定項目を選定し、暫定項目尺度及び,当該尺度の信頼性・基準関連妥当性を検討するための関連尺度を含んだ質問紙調査を実施し尺度開を行うとともに、コンピテンシーに基づいた多職種連携教育プログラムの検討を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度は、若手養護教諭の多職種連携コンピテンシーを明確化したものの、測定尺度項目の策定に時間を要し、養護教諭への質問紙調査の実施を行うことができなかったため、調査協力の謝金の支出が発生せず、また、データ入力費や調査実施に必要な切手代などの支出もなく、支出が予定よりも少額となった。 2024年度は、質問紙調査を実施する予定であり、そのための調査実施に関わる謝金やデータ入力費や切手代等、前年の残金は予定通り支出する予定である。また、2024年度は当初の計画どおり、支出を行う予定である。
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