2022 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the intrinsic factors of academic paper productivity in higher education institutions
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22K02708
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
奥脇 勝也 山梨大学, その他部局等, 講師 (50598795)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 論文生産性 / 科学計量 / 定量的評価 / 研究IR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、本邦で発表される学術論文の多くを占めている大学に焦点をあて、自然科学系の学術論文を中心とした学術論文の生産性について、論文書誌情報と科研採択情報を収集し、これら属性情報を比較・分析することで相関関係を明らかにすることにある。 本年度は本邦の大学に所属するの科研採択者情報を得るため、KAKENデータベースを利用して採択課題を有した研究代表者の属性情報の抽出を試みた。はじめに、2018年~2022年(5年分)に新規採択された基盤研究(S)、(A)、(B)、(C)および若手研究を加えた計5種目の研究課題について、研究代表者ごとの情報抽出により、約11万5千件(/5年)のデータを得た。次に、得られたデータから大学所属の研究代表者の課題を抽出するため、所属属性情報を用いて大学所属の研究課題を抽出し、採択情報合計約9万件(/5年)を得た。学術論文情報についてはWeb of Scienceの分析ツールであるInCitesを用いて、2018年~2022年に本邦の大学に所属する研究者の論文書誌データを抽出し、約41万8千件(/5年)のデータを得た。 得られた2種のデータは独立しており、相互データの一元的利用にあたって研究者情報ごとに結合する必要があるため、研究者氏名と所属機関名の2つの属性情報を基軸にし、抽出データに対し相互のデータの結合を行った。これにより、科研採択者の論文数データを一元的化した統合データを得ることができた。また、学術論文情報については、最初にオーサーポジションを考慮しないデータ抽出を行ったが、進捗の中でポジション別のデータについても検討することとし、学術論文において第一著者、責任著者のそれぞれのデータについても抽出を行い、当該データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究者の論文書誌データの取得後、当初計画では想定していなかったオーサーポジションの検討についても追加の必要性を感じ、改めてデータの整理を行ったため、当初予定していたデータ量を超え,処理に時間を要した。そのため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
学術論文と科研費採択課題との関係性について分析を進め、令和4年度の研究成果をまとめたうえ、学会において発表する予定である。一方で大学院生の研究参画等に関するデータ収集を予定していたが、当初予定していた公開情報が少なく、調査対象の選定が困難であった。関連する情報収集および文献調査を進める中で、文部科学省科学技術・学術政策研究所から先行研究として「新型コロナウイルス感染症対応が研究生産性に与える影響等に関する調査」等、本研究で計画していた大学院生の研究成果を調査した報告が複数あり、当初予定していた調査研究内容と類似する点が多く見られた。そのため、先行研究の内容を精査する中で、当初予定していた学生に対するアンケート調査から当該資料を基軸とした研究計画を検討し、今後研究を進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
当該年度はデータの収集作業に多くの時間を要したことから次年度使用額が生じた。次年度以降はデータ分析作業において使用を予定しており、さらに分析結果等を取りまとめ成果を学会発表するために集中的かつ計画的に使用する予定である。
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