2022 Fiscal Year Research-status Report
教育研究組織を基盤とした予防的・開発的学生支援モデルの開発的 研究
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22K02716
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
杉田 郁代 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (90469320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 克彦 奈良学園大学, 人間教育学部, 教授 (10461972)
山本 啓一 北陸大学, 経済経営学部, 教授 (30341481)
新川 靖 関西福祉大学, 教育学部, 教授 (30759791)
上山 和子 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (60249563)
寺岡 千恵子 比治山大学, 健康栄養学部, 教授 (60310835)
森 一弘 奈良学園大学, 人間教育学部, 教授 (60760808)
藤本 正己 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 特定研究員 (40954227)
坂本 智香 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (80782490)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 学生支援 / 教育研究組織単位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、RQである「教員が日常的に行う学生支援には、どのようなものがあるのか?」を解明するために、大学における学生支援領域の先行研究を概観した。また、教育研究組織単位の長である現職の学部長、および学部長経験者を対象に、インタビュー調査(質的調査)を実施し、6つの支援領域の現状の検証を行った。これにより、教員の行う学生支援を洗い出し、学生支援の要素を確認した。大学は異なっても教員の行う学生支援は同じであり、学生支援の要素を概念化することができた。 得られた成果は、①入学前・入学時から卒業時までの適応支援では、殆どの大学において、入学前教育が実施が確認できた。②履修指導等の教学支援では、学生を受け持つ担当教員(担任相当)のみならず、教務担当教員、教務課の職員による履修指導が行われていることが確認できた。③学生生活全般に関わる相談支援は、担当教員による定期的な面談の実施、相談支援、学生支援部署での相談支援、専門部署にリファーするなどの支援が行われ散ることが確認できた。④キャリア支援では、初年次からのキャリア教育、学部における国家試験対策や受験指導、就職指導などが確認できた。また、全学の就職センターなどとの連携についても確認できた。さらに、就職活動に苦戦する学生をフォローしていることも確認できた。⑤中途退学予防に向けた支援は、入学時のオリエンテーション、大学行事、授業への出席確認、教授会、様々な会議の場面で学生情報を共有するなどが確認できた。⑥配慮を必要とする学生への特別修学支援は、入学前の事前相談、学内の専門部署との連携などが確認できた。 これらの得られた成果は、どの大学においても共通する学生支援の重要な概念である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施する予定であった先行研究の外観および質的調査の実施を終え、次年度の量的調査の基盤となるデータを確保できていることから、順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、本年度に実施した質的調査を踏まえて、量的調査を実施し検証を行う予定である。量的調査では、学部長、学科長の教育研究組織単位の視点から、検討を行う。調査対象は、50大学程度を予定している。具体的には、質的調査の検討において、検討課題として挙げられた4つの課題(教員の負担や援助希求、組織内の情報共有、教職協働の在り方)について検証を行う。 次に、調査結果から、理論的研究として、学校心理学の視点から、①入学前・入学時から卒業時までの適応支援、②履修指導等の教学支援、③学生生活全般に関わる相談支援、④キャリア支援、⑤中途退学予防に向けた支援(学部・学科における人間関係づくり等を含む )⑥インクルージョン教育における教員の行う学生支援において教員が行う学生支援の要素を抽出して、教員個人と教育研究組織の単位に分けて整理し体系化し、教育研究組織単位による「チーム支援」による予防的開発的学生支援モデルを提示する予定である。
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Causes of Carryover |
令和4年度は、質的調査を中心に行ったため、経費を使用しなかった。ゆえに、次年度使用額が生じた。 よって、使用できなかった費用は、次年度分の助成金と合わせて、量的な調査費用とその分析にかかる費用に充当する計画である。
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