2022 Fiscal Year Research-status Report
多職種連携教育を推進する教師のコンピテンシーの調査および教師育成プログラムの開発
Project/Area Number |
22K02726
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
關谷 暁子 北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (10452111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉森 公一 北陸大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40581632)
大村 裕佳子 金城大学, 看護学部, 助教 (10967243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多職種連携教育(IPE) / 多職種協働実践(IPW) / 保健医療福祉連携 / コンピテンシー / サードプレイスIPE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多職種連携教育(IPE)の推進者となる教師を育成するための、コンピテンシー基盤型の教育プログラムを開発することである。令和4~5年度は、「プログラムによってIPE推進者が獲得するコンピテンシー」を立案するため、「学生時代にIPEを経験した人たちの学び」ならびに「学生時代にIPEを経験した後、自らIPE推進者となった人たちの学び」の内容を分析する。 ①学生時代にIPEを経験した人たちの学び 2020~21年度に我々が実施した7プログラムの参加者、のべ144名へのアンケート結果から、参加前後のIPEに対する態度の変化を分析した。プログラムへの評価は、「満足度」「IPE/IPWへの関心の高まり」「立場の異なる人との繋がり」「自由に発言できる雰囲気」の4項目において、5段階リッカート尺度による評価の平均値が4.5以上と高評価であった。また学生参加者の「卒前IPEに対する態度の変化」については、Curranらが開発した”Attitudes towards interprofessional learning in the academic setting”に示された15項目のうち、11項目において、参加者の80%以上が参加前に比べてポジティブな変化があったと回答した。 ②学生時代に「サードプレイスIPE」を経験した後、自らIPE推進者となった人たちの学び 学生時代にIPEを経験した後、自らIPE推進者となった医療専門職にインタビューを行い、現在のIPWやIPEへの参画状況、学生時代にIPEで経験したことが現在のIPWやIPE実施にどのように役立っているか、IPEに対する思い等を聞き取った。現在、逐語録をテーマティック・アナリシス(TA)ならびにテキストマイニングの手法を用いて質的に分析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生時代にIPEを経験した後、自らIPE推進者となった12名の医療専門職に対するインタビューを行い、逐語録を作成した。 令和6年度に実施する予定のIPE推進者向けプログラムで使用する教材(多職種カンファレンス用の事例)のプロトタイプを作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
(令和5年度) 逐語録をテーマティック・アナリシス(TA)ならびにテキストマイニングの手法を用いて質的に分析し、学生時代にIPEを経験し、現在IPE推進者となった人たちの現在のIPWやIPEへの参画状況、学生時代にIPEで経験したことが現在のIPWやIPE実施にどのように役立っているか、IPEに対する思い等についての共通点や相違点を抽出する。その中で、「IPE推進者としてのコンピテンシーの発達」と関連の深い経験を有するIPE推進者の逐語録を、Steps for Coding and Theorization(SCAT)の手法を用いてさらに詳しく分析する。分析結果から、「IPE推進者のコンピテンシー」を立案する。 (令和6年度) 抽出されたコンピテンシーおよびその発達プロセスを意図的に組み込んだ対話型ワークショップを開発、実施する。プログラムの実施期間、複数回にわたり参加者の「IPE推進者のコンピテンシー」を質的および量的に評価する。
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Causes of Carryover |
成果発表のために参加した学会のうち一部がオンライン開催となったため、当初の予定よりも旅費がかからなかった。 次年度の使用計画として、質的研究用の分析ソフトNVivoを購入する。
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