2023 Fiscal Year Research-status Report
極低出生体重児に対する視覚発達支援は読み書き困難症状の改善につながるか
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22K02755
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
阿部 聡子 (野口聡子) 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (60792215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50307542)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 極低出生体重児 / 学童期 / 視機能症状 / ビジョントレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
1)前年度に引き続き、出生体重1500g未満で出生した学童期の児における眼球運動について解析を行った。6歳時ウェクスラー式知能検査で全検査IQ75以上の児について眼球運動の苦手の有無と下位項目の値に関連があるか検討し、いずれの項目についても有意な差を認めなかった。眼球運動の苦手を認めた児では認めなかった児と比較して視機能症状チェックリストの該当数が有意に多いことが明らかとなった。前年度の項目に加え、輻輳について解析を行った。1500g未満で出生し、ウェクスラー式知能検査で全検査70以上の斜視のない児について解析を行い、38%の児で輻輳ができず、うち35%の児が衝動性眼球運動または滑動性眼球運動の苦手さを伴っていた。輻輳の異常の有無と周産期状況など臨床的背景について検討したが、明らかな違いを認めなかった。 2)直接観察法により滑動性眼球運動または衝動性眼球運動が年齢の標準値未満であり、見ることの苦手による自覚症状をもつIQ75以上の児に対し、家庭で実施可能なビジョントレーニングを指導し3か月間実施した。実施の前後でNSUCOのスコア、DEMテスト、視機能症状について比較した。本年度内のトレーニング参加者は1名で、NSUCOスコアの正常化、DEMテストでの横読み時間のzスコア正常化、視機能症状の改善を認めた。1日あたりのトレーニングの平均実施時間は6分で、有害事象は認めなかった。 3)前年度得られた研究結果について「1500g未満で出生した児の学童期視機能症状についての検討」と題して学会での報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では眼球運動の苦手と視ることの苦手による自覚症状の両方をもつ児に対し家庭でのビジョントレーニングの有効性を調査することを目的としている。家庭で無理なく実施できると考えられるトレーニングの内容について文献および講演・講習会等の聴講により情報収集を行い、検討を重ねたうえでトレーニングの実施に至ったが、本年度は眼球運動の苦手を認める児は一定数存在するもののトレーニング参加希望者が現時点では少なく、研究の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き視覚トレーニングの参加者を募り、有効性の評価について検討を行う。また前年度、眼球運動異常を認めるもトレーニングのプロトコールが準備中であったために参加できなかった児についても改めて参加対象として説明を行う。本年度得られた結果について学会での報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
年度途中で研究補助員が退職し人件費の繰り越しが生じた。次年度は新たに研究補助員を雇用し研究を推進する予定である。また前年度までの研究結果についての学会報告や論文作成を行うにあたり支出が生じる予定である。
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