2022 Fiscal Year Research-status Report
Support methods to improvement the auditory development in infants with hearing impairment
Project/Area Number |
22K02759
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田原 敬 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70735753)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 教授 (30302318)
小林 優子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (40594411)
茂木 成友 東北福祉大学, 教育学部, 講師 (50761029)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 聴覚障害幼児 / 環境音認知 / 聴能 / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下の3つから構成される:研究1)発達期にある聴覚障害幼児への教育実践に関する調査研究,研究2)環境音聴取能力の発達過程とその要因に関する分析的研究,研究3)環境音の認知プロセスに関する脳科学的研究。2022年度はこの中で研究2と研究3の予備的検討に取り組んだ。 研究2に関しては,環境音聴取能力を評価するためのテストの開発に取り組んだ。具体的には環境音認知を扱った国内外の先行研究を整理し,テストで用いる刺激や実施方法を決定した。その後健聴幼児に対する予備実験を行った後に,聾学校に通う聴覚障害幼児を対象に実験を実施した。その結果,今回開発した手法は聴覚障害幼児に対しても実施可能であること,基本的には語音聴力検査の結果と環境音の聴取成績は関連すること,言語面での遅れを示す事例に対して環境音聴取検査の有用性が高いということが明らかとなった。今後はこの手法をより幅広い事例に適応しつつ,聴取成績に影響を及ぼす要因について検討を行う。 研究3に関しては,成人の聴者32名を対象に近赤外線分光法(fNIRS)を用いた実験を行った。具体的には,環境音を聴取した際と,環境音の逆再生音を聴取した際の脳機能の違いについて検討した結果,環境音認知に関連のある脳領域として両側の下前頭回,両側の上・中側頭回が明らかになった。これらの領域はfMRIを用いた先行研究においても指摘されており,fNIRSを用いたとしても環境音認知に関連する脳領域が検討可能であることが確認された。今後は幼児に対して実施可能な手続きや方法について検討を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究2と研究3について予備的な検討が実施できたものの,代表者が別途獲得している国際共同研究加速基金に係る研究を実施するためにデンマークに渡航中であるため,当初予定していた計画よりもやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究1については,2023年度前半で調査対象を探すと同時に質問項目などを精選し,後半で実際に面接調査を実施する。研究2については,2022年度に開発した手法をより広い対象者に実施しながら,成績に影響を及ぼす要因について検討する。また成果を学会や学術誌などで発表する。研究3については,2023年度前半で幼児を対象とした方法論について検討を行うと同時に,後半では健聴幼児などを対象に予備実験を行う。
|
Causes of Carryover |
代表者が国外におり,予定していた学会への参加を見送ったために次年度使用額が生じた。次年度は調査活動に伴う国内移動が多く予想されるため,そちらに充てる。
|