2022 Fiscal Year Research-status Report
定量的・客観的・汎用的な情報活用学士力メトリクスの設計と実践
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22K02831
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 雪也 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (30551931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 崇朗 佐賀大学, 全学教育機構, 助教 (10806136)
小俣 昌樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60402088)
吉川 雅修 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70200962)
金子 大輔 北星学園大学, 経済学部, 教授 (70397438)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報教育 / シラバス / 情報活用学士力 / オンライン・コラボレーション力 / データ利活用力 / 情報システム開発力 / 情報倫理力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報活用学士力を定量的・客観的・汎用的に評価するメトリクスの開発を通して、「オンライン・コラボレーション力」をはじめとする,大学生に必要とされる情報活用力を具体的することである。 2022年度は、「情報活用学士力」を構成する「メトリクスのツリー構造」を明らかにすることを目標とした。このために、全国100大学の初年次前期の情報授業のシラバスにおける単語の共起関係を,テキストマイニングによって分析した。シラバスの概要と授業計画に着目した分析のその結果、情報モラル教育とオフィススイートの操作およびメール送受信などの実習が多い一方で,高校情報Iの学習指導要領に含まれているプログラミングについてはほとんど扱われていないことが分かった。また、ともに頻出単語である「データ」と「活用」に関して共起関係が見られないことが分かった。 つぎに,高等学校指導要領情報IIを参考にしたうえで大学生の卒業時の情報知識・スキルを考慮しながら,情報活用学士力の基本カテゴリとなる「つなぐ:オンライン・コラボレーション力」「しらべる:データ利活用力」「つくる:情報システム開発力」「まもる:情報倫理力」を導出した。そして、これらのカテゴリに属する知識やスキルの項目間での一対比較を行い、項目同士の重要度を検証した。 次年度以降は、今年度の成果をもとに、「情報活用学士力自己評価ツール」「情報活用学士力分析ツール」および「情報活用学士力可視化ツール」などを設計していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の目標は、「(1)「情報活用学士力」の概念を、オンライン・コラボレーション力,データサイエンス力、プログラミング力、および情報倫理観の4区分に分け、各区分を、深さ2から3程度で下位概念化したメトリクスで構成されるツリー構造として表現できるようにする」ことであった。このための分析として、高等学校普通情報の指導要領が、大学初年次情報教育へどのように継続されているのかを調査した。この結果について、日本リメディアル教育学会全国大会で発表した。 メトリクス開発にあたっては、高等学校指導要領情報IIを参考にしたうえで,大学生の卒業時の情報知識・スキルを考慮して検討した。具体的には、「つなぐ:オンライン・コラボレーション力」「しらべる:データ利活用力」「つくる:情報システム開発力」「まもる:情報倫理力」の4つのカテゴリに分類したうえで、深さ2~3程度で下位概念化したツリー構造を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したメトリクスについて、4つのカテゴリの細分化の深さ1同士の一対比較をおこない、要素同士の重要度および関連度を導出する。その後、ツリーの末端の要素を問う質問を作成し、それを3から5段階程度または数値で回答する質問紙調査として完成させる。具体的には、学生が30分程度で自己評価できるようなツールにまとめる。そして、その結果を個人単位および集団単位で分析・可視化できるツールを設計する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で当初計画していた打ち合わせが対面での実施回数が減少したことが主な要因である。2023年度には、打ち合わせ回数や学会発表等を行う旅費、高校情報IIの教科書の購入等を予定している。
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