2023 Fiscal Year Research-status Report
定量的・客観的・汎用的な情報活用学士力メトリクスの設計と実践
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22K02831
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 雪也 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (30551931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 崇朗 佐賀大学, 全学教育機構, 助教 (10806136)
小俣 昌樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60402088)
吉川 雅修 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70200962)
金子 大輔 北星学園大学, 経済学部, 教授 (70397438)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報教育 / 情報活用学士力 / オンライン・コラボレーション力 / データ利活用力 / 情報システム開発力 / 情報倫理力 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度開発した情報活用力に関するメトリクスについて、「オンライン・コラボレーション力」、「データ利活用力」、「情報システム開発力」、「情報倫理力」の4つのカテゴリの細分化の深さ1同士の一対比較をおこない、要素同士の重要度および関連度を導出した。その後、大学生の「情報活用力」を学生自身が容易に自己評価できる「できる」、「できない」、「わからない」のいずれかを回答する70の質問群を完成させた。 Web上で質問群に回答でき、他の学生との比較も可能な情報活用力自己評価ツールを開発した。自己評価ツールでは、Python技術を利用して、回答した学生の個票の出力結果、学科・学部・大学単位で全体の基本統計量とその時系列変化を導出できるようにした。 これらを情報系学科2~4年生計70名に対し試行し、試用者44名を対象に質問紙調査を実施した。試行の結果、どの学年も「情報倫理力」が他のカテゴリよりも得点が高い結果となった。その他のカテゴリに関しては、経験のないものが得点が低い傾向にあり、授業内容やカリキュラムになどに影響されることが示された。 質問群の簡易性については、おおむね10分程度(1問1秒程度)で回答でき、学年進行とともに回答時間が短くなった。これらから、簡易に回答でき、知識や経験が増えることで質問文の内容や意図を短時間に理解できることが示された。妥当性については、事後の質問で行った、情報系の資格の有無の違いにおいて、回答時間、回答結果に有意差がみられなかったことから、質問群が専門的な用語の知識やスキルだけでなく、本研究が目指している情報活用力に関しての経験も評価できることが示された。また「わからない」への質問群全体の回答の平均値が5.1%であったことからも質問群の妥当性が示される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究計画は、「昨年度抽出した要素について、「オンライン・コラボレーション力」「データサイエンス力」「プログラミング力」「情報倫理観」の4区分に階層化して分類し、必要に応じ一対比較実験を行い、要素同士の重要度および関連度を導出する。その後、ツリーの末端の要素を問う質問を作成し、それを複数(3から5段階程度)で回答する質問紙調査として完成させ、Web上で学生自身が回答し、結果を可視化できるツールを開発すること」であった。 重要度の重みづけに関しては、教育システム情報学会の研究会において、成果を発表した。試作した質問群および可視化ツールについては、情報系学生70名に試行を行い、結果を教育システム情報学会の研究会において、発表をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
各質問の回答の分布を検討し、質問文そのものに関するヒアリングをおこなうなどして、本試行の結果をさらに詳細に分析する。また、情報活用力メトリクスに基づいた、より簡易で妥当で定量的に測定可能な質問群の試作と試行を継続する。さらに、他学科の学生や理工系以外の学生に関しても同様の試行と評価を実施し、大学生全体をカバーできるような質問群を作成していく計画である。
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Causes of Carryover |
打合せをオンラインと併用で実施した点、学会発表並びに会議が2名の居住地周辺で行ったため、交通費を中心に余剰が出たため。2024年度で学会発表、情報収集、打合せ等の旅費等で充当する予定である。
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