2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K02856
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
河崎 美保 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70536127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (70281722)
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 教授 (70377729)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認識的認知 / 教員養成 / AIRモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,教授・学習分野の認識的認知を育成する教材を開発すること(研究1),AIRモデルに基づく介入方法を開発・評価すること(研究2),教師教育領域の認識的認知が促進されるメカニズムを解明すること(研究3)である。これらを通して,効果的な学習支援を確立・提案し,教師教育の領域固有の認識的認知を明らかにする。 認識的認知とは人が何かをわかっていくときの認知を指し,近年の有力なモデルとして,認識的目標(epistemic aims),認識的規準(epistemic ideals),信頼できるプロセス(reliable epistemic processes)から認識的認知を捉えようとするAIRモデルが提唱されている。本研究では,このモデルを認識的認知の評価のフレームに採用する。 研究2年目である令和5年度には,過去の実践の分析を通して,教職に関する認識的認知の特徴を明らかする上で,AIRモデルが有効であることを示した昨年度の成果をISLS2023(International Scoeity of Learning Science: 国際学習科学学会)で発表した。 さらに昨年度の実践に基づき,研究2に関し,教職科目において,教授・学習領域の知識を学ぶと同時に,認識的認知の成長を促進する教授方法の開発・実践の改善を行った。また学生が認識的認知に関して過去の実践よりもさらに成長を促進されたと考えられる成果をAIRモデルで評価するための理論的な検討と分析枠組みの改良を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2に関して,教職科目において,教授・学習領域の知識を学ぶと同時に,認識的認知の成長を促進する教授方法の開発・実践の改善を行なった。またこの教授方法の成果を認識的認知の成長の観点から実証的に評価可能な分析枠組みを,学会発表での議論やミーティングを通して精緻化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,今年度までの成果を論文にまとめ,投稿する。また,研究2に関して再設計した実践の評価をさらに進め,過去の実践との差異をもたらした要因を発話データの分析により明らかにする。この結果に基づき,研究1に関して課題の改善を行うとともに,新たな実践を再設計・実践する。以上より,教員養成段階の学生の認識的認知の介入によって引き出される認知過程,メカニズムを分析・解明し(研究3),本研究の知見の転用可能性を高める。
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Causes of Carryover |
初年度に新型コロナウィルス感染症蔓延のため,学会がオンライン開催になり,計画よりも旅費の支出が少なかったため次年度使用額が多かったが、これらが今年度には予定通り執行され、物品費に7,245円の余剰が残った。これらは次年度の論文投稿にあたり英文校閲費に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)