2022 Fiscal Year Research-status Report
自己調整学習を促す文系数学における学修支援を組み込んだ授業デザインの効果検証
Project/Area Number |
22K02894
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
高安 美智子 名桜大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80774562)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チュータリングスキル / 学修支援 / チュータートレーニング / 自己調整学習 / 数理学習センター |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、数理学習センターのチューターのチュータリングスキルを高めるためのトレーニングについてまとめることに主眼をおいた。チューターは半年毎に数名の入れ替わりがあり、毎学期学習支援の原点に戻り、その意義を確認することが必要である。今回の調査結果から、継続チューターが新規チューターを育成する中で、自己の成長が感じられ継続チューターとしてのモティベーションアップに繋がっていることが分かった。 また、これまできちんとした「チュータリングスキル」の定義を確認しないまま、チュータリングスキルの自己評価を実施してきた。つまり個々のチューターの解釈により、評価規準(目標)も評価基準(達成レベル)も異なる中での調査であった。本研究において、チューターのディスカッションを通して、チュータリングの際の困りごとや不安を共有し、そのためにどのような力が必要であるかについて討議を行ってきた。「MSLCのチュータリングスキル」とは何かということを定義し、そのスキルアップのためのトレーニングプログラムの内容とその評価について、共通理解を図ることができた。 MSLCではチュータリングスキルアップのための二つのトレーニングがある。一つは、チュータリングのロールプレイを行う演習形式である。二つ目は、担当チューターが与えられたテーマについて調べMSLC業務と関連させながらプレゼンテーションを行い学習支援における理論を学ぶ研修形式である。その2つのトレーニングにおける評価のためのルーブリックと研修のリフレクションペーパーの活用がある。トレーニング後の自己評価や他者評価結果から、二つのトレーニングの結果が自己のスキルアップや成長に繋がっているという分析をまとめ公表することができた。チューターのトレーニングの成果は、高等教育の学修支援機関におけるピア・ラーニングの成果に貢献できることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,学習支援を組み込んだ授業デザインとその実践が受講者の自己調整学習を促進させるだろうという仮説を検証することである。すなわち学習支援の成果が問われる内容でもあり、チューターとの連携やチュータリングスキルが重要な鍵を握る。そこで、1年目は、これまでのトレーニングも含めて、さらに自己調整学習を促すチュータリングについて,チューター研修において共通理解を深めた上で調査研究を進めていく必要がある。そのため、チュータリングスキルの定義及びその理解やトレーニングの効果測定を重視した。自己調整学習を促すチュータリングについては、研修継続中であり、時間をかけて研究・調査をまとめていく予定である。また、学修支援を組み込んだ授業デザインの工夫と教材作成は順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目はチューターが自信を持って学習支援に取り組めるようチューターの指導及び研修成果をまとめることを重点に実施してきた。「自己調整学習」とは何か、についてチューター研修を実施してきたが、まだ新規チューターの十分な理解が得られていないことから、研修成果をまとめるまでに至らなかった。本研究はチューターのチュータリングが重要な鍵を握るため、さらに自己調整学習を促すチュータリングについて,チューター研修において共通理解を深めて研究・研修を進めていく。また、学修支援を組み込んだ授業デザインの工夫と教材作成は順調に進めている。2年目となる2023年度は、数理学習センターにおけるピア・ラーニング(共に学ぶ)が,学習の動機づけや主体的な学び,自己調整学習にどのような影響を与えているかという学習の量と質も含めて学びの過程を、解析することが目標である。 数理能力に困難を抱えた学生が,主体的に基礎的な知識・技能を身に付け,能動的学修を可能とするためには,授業と連携した授業外の学修支援を組み込んだ自己調整学習を促す授業が必要となる。学生は主体的な学修の体験を重ねて,自己調整学習を促進させることを目標とする。 さらに、本研究においては,自己調整学習の3つの要素(動機づけ,学習方略,メタ認知)についてルーブリックの活用による自己評価活動を取り入れ,自己調整学習を促進させる実践を行い,その成果の効果検証を行う。
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Causes of Carryover |
学会参加等への出張が業務と重なりできなかったことから、使用額の残が生じてしまった。 今年度は、学会等への出張旅費、書籍購入、人件費、その他(消耗品を含む)を予定している。
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Research Products
(2 results)