2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of learning materials utilizing the facilitative effect of gestures in online second language learning
Project/Area Number |
22K02915
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
大井 京 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (70579763)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ジェスチャー / 学習 / ワーキングメモリ / 身体動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、動画を利用した第二言語学習においてジェスチャーが果たす促進効果を、動画教材中の教師と受講者の両観点から検討することにある。本研究は、2022年度において、ジェスチャーの学習における有効性を検証する第一段階として、いかなる身体動作が、学習の根本となるワーキングメモリをより活性化するのかを検証した。 これまでの先行研究は、身体運動がワーキングメモリや学習パフォーマンスを向上させる可能性を示唆しているが、ワーキングメモリに好影響を与える身体運動の種類は検討されていない(e.g., 喜屋武・高倉, 2019; Mullender-Wijnsma et al., 2015)。そこで本研究では、運動なしの安静(安静)、手の運動を行うタッピング(タッピング)、椅子に座った状態で上半身のみで行う運動(上半身運動)、全身運動と段差の昇降(ステッピング)という異なる種類の運動がワーキングメモリに及ぼす影響を、ワーキングメモリを測定するために広く使用されているリーディング・スパン・テスト(Reading Span Test: RST, 苧阪, 2002)を用いて検討した。 実験では、休息条件よりも有意にワーキングメモリを改善する運動条件は確認されなかったが、ワーキングメモリの負荷が相対的に高い条件では、上半身運動条件とタッピング条件が休息条件よりも、ワーキングメモリを改善する傾向を示した。 この研究成果をまとめたものは、2023年8月に開催される国際会議「SARMAC XIV 2023(Society for Applied Research in Memory and Cognition)」に採択されており、当該の会議で報告予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題であるジェスチャーの学習における有効性を検証する第一段階として、いかなる身体動作が学習の根本となるワーキングメモリをより活性化するのかを検証した。その結果、単に身体動作がワーキングメモリを改善するというよりも、身体動作の種類と学習課題の内容の相互作用が生起し、学習が促進される可能性が示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果により、単に身体動作がワーキングメモリを改善するというよりも、身体動作の種類と学習課題の内容の相互作用によって、学習が促進される可能性が示唆された。 この可能性をさらに検証するために、今後は、アニメーション説明課題(Oi et al., 2010)を改良し、単純な身体動作と自発的・矯正によるジェスチャーの学習に及ぼす改善効果を、話し手と聞き手の双方において定量的に計測し、検証する予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主たる理由は、新型コロナの流行の影響を受け、2022年度は国際・国内会議ともに出張を控えたため、旅費を使用しなかったためである。2023年度は、すでに国際会議への発表を決定しており、当該の額を使用予定である。 また、今後の実験実施と、データ分析のため、ノート型PC購入費と実験補助者と実験参加者の人件費が必要となる。 また、さらなる研究成果の発表のため、英文校閲費用、学会参加費用、論文投稿費用が必要となる。
|
Research Products
(1 results)