2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of performance assessments in physics education and analysis of their educational effects
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22K02942
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
宮川 貴彦 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70439925)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パフォーマンス評価 / 物理教育 / 観点別評価 / 高次の学力の育成 / 形成的アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は(1) 高等学校における観点別評価に基づく評価方法の枠組みの創出,ならびに(2) 高次の学力を育成する形成的アセスメントの学習効果の分析である。 上記のうち目的(1)については,(a) 愛知県立A高等学校の1年生科目「物理基礎」において開発したパフォーマンス評価方法の枠組みを,同校2年生(175名)対象科目「物理」の観点別評価に実装した。(b) 「物理基礎」において開発したパフォーマンス評価方法の枠組みならびに生徒がパフォーマンス課題への取り組みで発揮した学力の分類等についてまとめた論稿が学術論文に掲載された。 目的(2)については,(a) パフォーマンス課題への取り組みが生徒の学習改善としてより良く機能する方策を探るために,愛知県立A高等学校の1年生と2年生(各15名程度)に対して各生徒の学習実態や学習効果の自己評価に関する聞き取り調査を実施した。 (b) 愛知教育大学高等学校専攻理科専修1年生を対象とする科目「力学」において,形成的アセスメントの実践を行い,学習成果物から主に学習効果の質的分析を行った。これらの分析と調査紙調査の結果をまとめて国際的な学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 「高等学校における観点別評価に基づく評価方法の枠組みの創出」において,開発したパフォーマンス評価方法とその実践分析をまとめた論考が『科学教育研究』に掲載された。また,当初の予定通り,前年度までに開発されたパフォーマンス評価の枠組みを愛知県立A高等学校2年生175名が受講する科目「物理」の観点別評価に実装することができた。 (2) 「高次の学力を育成する形成的アセスメントの学習効果の分析」において,愛知県立A高等学校の1年生と2年生に対して各生徒の学習実態や学習効果の自己評価に関する聞き取り調査を実施するなど,本格的な学習効果分析を行う上での準備的な取り組みを本年度中に進めることができた。また,愛知教育大学高等学校専攻理科専修1年生を対象とする科目「力学」における形成的アセスメントの実践に関する取り組みを,米国物理学会の3月年次総会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) これまでの研究において開発されたパフォーマンス評価の枠組みを愛知県立A高等学校3年生科目「物理」に適用して,3年間を通じた高校物理の観点別評価への実装を完結する。また,実践の取り組みを振り返り,改善点を見出す。 (2) 愛知県立A高等学校の生徒と愛知教育大学の学生を対象にして,形成的アセスメントの実践に関するアンケート調査ならびにインタビュー調査を実施して,その調査結果に基づいて学習成果の分析を行う。
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Causes of Carryover |
当該研究題目の成果発表のため年度末に米国の学会に参加した。本学会に参加するための参加費や渡航費・宿泊費が当初予定額を超えてしまった。そのため,購入予定だったパーソナルコンピュータを購入できなかった。そこで,次年度使用額と2024年度の研究経費を合わせてパーソナルコンピュータを購入する予定である。
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Research Products
(2 results)