2022 Fiscal Year Research-status Report
初等教育における遺伝リテラシー向上のためのSTEAM教育プログラム開発の検討
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22K02963
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鷹野 典子 (甲斐典子) 九州大学, 芸術工学研究院, 学術研究員 (30840318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 昌子 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (20025365)
大野 みずき 九州大学, 医学研究院, 助教 (70380524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝リテラシー / 遺伝学 / 科学教育 / STEAM |
Outline of Annual Research Achievements |
国内の科学教育,遺伝学教育,STEAM教育が実施されている現場の調査を行った。まず,「総合的探求の時間」でデザイン思考,STEAM教育を取り入れた授業を実施している高校において調査を行った。総合的探求の時間の授業プログラムの設計や授業の見学を行い,授業前後に学生,担当教諭にアンケート調査を行った。アンケート内容は,学生の授業への興味,理解度,担当教諭のデザイン思考の理解度や授業を進めるにあたっての問題点などである。このアンケート結果をまとめ,この高校でデザイン教育やSTEAM教育を取り入れる際の課題,今後の改善点などを解析した。 また,小学生向け理科実験教室の調査として,京都のNPO法人が行っている親子理科実験教室を見学し,講義や実験内容,子どもの様子などの調査を行った。 教育プログラムの構築および実施の一つとして,この親子理科実験教室にて遺伝学やDNAに関する理科実験教室を行った。子どもたちに興味を持ってもらうため,講義にクイズを取り入れ,DNAと身近なものとの比較を行った。DNA抽出実験はデキャントで試薬を入れたりスポイドを利用し,小学低学年でも正確に試薬を入れることができるようにした。さらに,4色のマグネットシートでヌクレオチドを作成し,視覚的に理解しやすいようにした。講義は全員興味深く聞いており,DNA抽出実験も真剣に取り組んでいた。またマグネットシート作成のヌクレオチドの模型を使用することで,小学低学年でもDNAの構造や相補性,DNA複製を理解することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は国内の科学教育の調査を行う予定としていたが,コロナ禍の中で理科実験教室などが休止してる場合が多く,調査が不十分であった。
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Strategy for Future Research Activity |
国内のSTEAM教育や科学教育の調査を引き続き行うとともに海外の教育との比較を行い,国内の改善点,問題点など解析する予定である。 京都のNPO法人の親子理科実験教室を利用し,メンデルの法則や遺伝子組み換え生物に関連する法律を内容に含む教室を実施し,受講生の理解度や興味などの調査を行いたい。また,受講生たちがグループワークでアイデアを出し合い,まとめ,発表する場を設け,遺伝学の教室についての効果や成果を検証したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中、対面で理科実験教室を実施しているところが少なく,調査に行くことが困難であった。今年度は昨年度行くことができなかった理科実験教室へ調査に行くとともに,国内や国際学会において最新の遺伝学についての知見を得,情報交換する予定である。
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