2023 Fiscal Year Research-status Report
Proof Without Words:新規開発と既存物分析・評価の両輪的研究
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22K03013
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
笠谷 昌弘 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40527884)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 数学教育 / Proof Without Words / 証明の可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Proof Without Words(PWW)とは、数学における証明を可視化することで言葉や数式による説明を最小限にとどめ、「見てわかる証明」を実現する図表のことである。本研究の目的は、PWWに関して、次に挙げる①②を意識した両輪的研究を行うことである。目的① 新しいPWWの開発・教材化:数式や命題を可視化する新しい手法・図表を考案する。また、新しく教材化する。目的② 既存のPWWの分析・評価:既に公表されているものを可視化のタイプ・メカニズム等によって分析する。また学習者から見た様々な観点から評価を行う。 2023年度の研究実績は、主に(1)~(3)の計4件である。 (1)海外の査読付き学術雑誌への投稿でAcceptが1件あった。これは、新規開発のPWW(目的①)についての記事である。(発行年は現在未定のため、後の研究成果報告書等で詳細報告予定。) (2)『高専教育フォーラム』への寄稿1件を行った。これは、PWWに関する概説を行い、体積、面積、長さ・座標による3種類のPWWのタイプ別分析の一例を論説した(目的②)ものである。 (3)数学教育学会の例会・年会の予稿集への寄稿および口頭発表を2件行った。うち1件は、PWWのwebクイズ化教材と学習者評価についてである。既存のPWWと新規開発のPWW(目的①)について、webクイズ教材化することにより多くの学生に教材を体験してもらうことができ、またクイズにアンケートも付属させ、教材の利用と評価を同時に行い分析しやすくしたものである(目的②)。発表のもう1件は、三角錐を用いたベータ関数のPWWを新規開発し(目的①)、webクイズ教材化してみたものである。こちらもwebクイズ化によって教材の利用と評価を同時に行い分析しやすくなっている(目的②)。 なお上記4件のほか、現時点で未公表であるが、2023年度中に進展した研究がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、Proof Without Words(PWW)について、目的①新しいPWWの開発・教材化と、目的②既存のPWWの分析・評価について、両輪的研究を行うことである。 研究期間の2年目である2023年度は、2022年度に海外の査読付き学術雑誌へ投稿した記事で1件のAcceptがあった。また『高専教育フォーラム』への寄稿を1件、数学教育学会の例会・年会の予稿集への寄稿および口頭発表を2件行った。その詳細は「研究実績の概要」欄に記載したとおりである。 4件を通じて、Proof Without Wordsの典型である教材を開発(目的①)でき、また学習者から見た評価を得たり、分析を行う(目的②)ことができた。すなわち、両輪的研究がうまく回った好例である。 2022年度に引き続き2023年度も好例が得られていることから、本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までと同様に、次の3点の推進方策を計画している: 1.現時点で未公表であるが進展中の研究について、公表すべく準備を進める。 2.高大接続についての数学教育研究グループとの議論を活発化させ、Proof Without Wordsの開発アイデアおよび分析・評価手法について、進展を図る。 3.数学教育に関する学会・研究会合に継続的に加入・参加し、研究成果を公表する、あるいは、本研究課題にも活用できる研究手法を吸収する。また、研究者との議論を通じて、本研究課題のさらなる高度化も目指す。
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Causes of Carryover |
科学研究費を有効かつ効率的に利用するためには、数万円未満の額については次年度に回し、様々な場面で起こっている価格高騰に備え、まとまった金額で物品費・旅費・学会費等として使用したほうが研究の進展に寄与すると考えられるため。
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Research Products
(3 results)