2022 Fiscal Year Research-status Report
Why is the expression of prejudice against Zainichi Koreans (Korean residents in Japan) justified?
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22K03026
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高 史明 東洋大学, 社会学部, 准教授 (90594276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲郎 神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60455194)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レイシズム / 人種・民族差別 / 人種・民族偏見 / 在日韓国・朝鮮人 / 在日コリアン |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は、人々が偏見を抑制しようとする動機だけでなく、積極的に正当化しようという動機も持っているという点に着目し、日本において在日コリアンへの偏見がなぜ、どのように正当化されまた表出されているかを解明することを目指す3か年の計画である。 研究課題開始年度にあたる2022年度には、本課題の目標達成のためにこれまでに蓄積したデータ・知見を活用すべく、既存のデータの再分析と成果の公表を行った。こうしたものとしては、国内学会での発表として日本心理学会第86回大会でのポスター発表(高・小林)および日本社会心理学会第63回大会における口頭発表(高と他3名)がある。 また、論文としては、Takano, Nakazato, &Taka (2023)がApplied Mathematics and Computationでの公刊に至った。この論文は、他者の差別行動を観察することで差別(行動)の模倣や偏見(態度)の学習が起こることを考慮し、差別行動の頻度の動態を数理モデルで検討したものであり、本課題を進めるうえでの示唆も大きいものであった。 当初計画としては、2022年度中に新規の調査を実施することを計画しており、2022年度中には計画を精緻化するための文献サーベイなどを行うことができた。ただし、主として研究代表者の研究環境の大きな変化のため、2022年度中の実施には至らなかった。このため、当初の計画に比べ遅れが生じている状態である。2023年度前期にも調査を実施し、遅れを取り戻す計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度中に新規のオンライン調査を実施する予定であった。計画を精緻化する作業を行うことはできたが、年度内の実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画としては、2022年度に新規の調査を実施し、そこで得られた知見を踏まえて23、24年度にさらなる検討を行う予定であった。 2022年度に遅れが生じたため、2023年度の早い段階で調査を実施し、残り2年間で後れを取り戻すことを見込んでいる。 なお、2022年度に予定していた調査以外の、23・24年度に計画していた実験・調査で活用すべき知見の整理作業は、一定程度進んでいる。
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Causes of Carryover |
「その他」として調査実施費用や英語論文校正費用を計上していたが、年度内の調査実施に至らなかったため未使用額が発生した。繰り越しは主としてこの費目である。 また、「物品費」として研究代表者が用いる統計ソフトウェアのライセンス更新費用を計上していたが、研究代表者の所属変更により機関契約しているものを用いることができるようになったため、この部分でも未使用額が発生した。 2023年度以降、当初計画の調査・実験を遂行するために用いる。
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